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エア・パシフィック航空、完全撤退でデスティネーションとしての地位に危惧

  • 2008年11月5日
 エア・パシフィック航空(FJ)は来年上期からの運休を決定した。FJは来年3月28日まで運航し、日本支社も3月末で閉鎖するという。フィジーにはアウトリガー、インターコンチネンタル・ホテルズなど新たなホテルの開業が続いており、日本ではその送客をめざし、旅行会社やサプライヤーなどで構成する「フィジー会」などを通じて、送客への努力を続けていたところ。ただし、FJの発表ではこうした施策を講じていることに理解を示しつつ、「日本市場における需要のかげりは深刻化し、回復の兆しが見られない」としている。ホールセール各社も来年の上期商品のパンフレットの作成に着手している段階にあり、厳しい見方もある。現実的な動きにつながるかは未知数だが、大韓航空(KE)の仁川/ナンディ線を利用する商品もあり、フィジーへの送客ではこうした経由便を活用する案があるほか、チャーター便を利用することも議論としてあがっている。

 フィジー政府観光局支局長の川端郁代氏は、これまでは9割がFJの利用だったとしつつ、大韓航空(KE)も含めた取り組みを考える意向だ。韓国市場からの訪問者数は、「今年は前年比でマイナスに推移」しているといい、日本市場からの送客にも余地はありそうだ。特に、川端氏はFJ就航から約20年に渡り、デスティネーションの確立に携わり、当初は3000人規模から現在の2万人規模にまで拡大に貢献。「デスティネーションの火を消すことは避けたい」としており、今後の取り組みや展開に不透明さは残るものの、現状で出来ることを積極的に取り組む考えを示している。


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※訂正案内 (編集部 11月6日 15時40分)
該当箇所と理由:FJから訂正の連絡があり、最終運航日の日にちを変更
前 3月末まで運航し
 ↓
後 3月28日まで運航し