ベトナム航空、ベトナム中部とインドシナ地域強化継続−訪問者数の拡大可能

  • 2008年6月5日
 ベトナム航空(VN)は、2008年度もベトナム中部と以遠路線のインドシナ地域のデスティネーションの積極的なプロモーションを継続する。これまでの取り組みの成果もあって、2008年第1四半期のベトナムへの訪問者数が前年比6.9%減の11万367人であったところ、VNの日本発旅客数は横ばい、利益も安定的。6月4日に開催した業界向けセミナーでVN東日本旅客営業部課長の加藤欣弥氏は、カンボジアへの訪問者に支えられ、5月の東京発の旅客数が日本就航以来最高となったことを紹介。特に今年は、ホーチミン/ニャチャン線を増便して日本から同日乗り継ぎを可能にすることもあり、中部のダナンやホイアン、ニャチャン、フエ、インドシナのカンボジアやラオス、ミャンマーなどを打ち出すことで、「ベトナムは右肩上がりの伸びが可能」と強調した。

 2007年のベトナムを訪れた日本人の数は、6.9%増の41万515人。このうち、ダナンは27.6%増を記録しており、VNの東京発だけで1ヶ月に1000名以上が訪れることもある。ニャチャンは2%減であったものの、ホーチミン/ニャチャン線の増便により2008年は「確実に増える」(加藤氏)見込みだ。また、ラオスも2007年は28.6%増の2万9770人であった。加藤氏は、「カンボジアも7年から8年前は年間3万人もいなかったが、今は15万人が視野に入る規模になった」とし、取り組み次第で訪問者数は拡大可能と語る。

 VNでは、これらの地域のプロモーションのため、メディア露出やJATA世界旅行博などイベントへの出展を積極的に展開する。旅行業界向けには、画像やパンフレット、ポスター、DVDなどの素材を用意。また、航空券の発券期限を緩和したほか、インターラインEチケットアグリーメントの構築なども進める。


▽ベトナム中部で進む観光開発

 ダナンやニャチャンではインフラ整備も進んでいる。例えばダナンは、海の美しさと世界遺産へのアクセス性などから欧米人が多数訪れており、2005年に74軒であった宿泊施設数が2008年は104軒、2011年には200軒と増加が予測されている。少なくともこのうち10%は、日本人を問題なく受け入れられるレベルで、ハイアットやマリオット系のホテルの進出、カジノの建設なども見込まれている。また、ニャチャンでも2005年には255軒、2008年は350軒、2011年は500軒になる予定だ。交通インフラも改善されており、ダナンからホイアンは車で30分、ミソンは1時間15分、フエは2時間といずれも日帰りが可能となり、ダナンのビーチリゾートと3つの世界遺産を無理なく組み合わせることができる。ダナン国際空港のターミナルも2010年4月に完成する予定だ。