ルックJTB、08年も「スーパーパッケージ」で全市場に正対−07年は141万見込み

また、現在の中期経営計画から新中期経営計画への過渡期であること、日本通運との共同催行を含めてルックJTBの40周年、8月ごろに参加者が通算2500万人を数えること、新システムの導入、販売や仕入れを方面別に一体化する組織変更の実施など、「2008年はいろいろな意味で節目の年になる」とも語り、重要な年度となる考えを示した。
08年度の市場環境は、地上費が2%増から15%増、航空会社のイールド志向による航空座席が1%増から5%増、全体として原価は約4%から5%の増加を想定。それに対し、商品価格は平均して約2%増の上昇に留めた。北島氏は「利益だけを考えれば、利益率の高いマーケットと時期に集中するが、需要喚起のため、質と量の両面で拡大をねらうのがホールセラーの使命」と強調した。商品の展開方針は、間際商品の強化やウェブ販売、ダイナミック・パッケージを強化する。価格訴求型商品は、「戦略性があれば取り組むが、ある特定の方面が伸びない、という理由での単純な安売りはしない」と明言した。
▽40周年記念で5つの特別企画−「くつろぎの旅」や「ドバイ」など
2008年度の上期商品は、40周年と参加者2500万人を記念し、特別記念企画を設定。記念企画は、「くつろぎの旅・滞在型」と「くつろぎの旅・周遊型」、「世界遺産紀行」、「ドバイとアラビア半島」、「北米・南米 絶景40選」の5つ。また、年間を通して特別プロモーションを展開。「1969年〜2008年旅の思い出フォト&エッセイコンテスト」を実施し、入賞者にルックJTBの黎明期のパンフレットのツアーを現代版にアレンジして贈呈する。
「くつろぎの旅」は、ルックJTBの顧客のうち最上位の1%に満たない層を対象とする最上質の商品。滞在型で「上質」や「希少」、「特別」など、周遊型は「上質」や「グルメ」、「少人数」などをテーマに掲げる。例えば、ミシュランの星付きレストランで希望のものを注文できる企画など、通常のパッケージツアーを「遥かに超える企画」とした。パンフレットも右開きで縦書きとし、読み物を加えた雑誌感覚の体裁に整えた。これまでのパンフレットはデスティネーション毎に1冊とし、グレードの異なる商品を提案してきたが、このパンフレットでは同じランクで別のデスティネーションの商品を掲載する。すでに周遊型は発売しており、販売店からも好評を得ているという。
「世界遺産紀行」では、現在の市場で世界遺産が「安直に使われており、これに一石を投じたい」(商品企画部企画推進部長の常盤省吾氏)との考えから、単に訪問するだけでない、消費者の知的好奇心に訴えるこだわりの旅行を提案する。パンフレットでは「世界史の主役が歩いた道」、「祈りの風景の中の世界遺産」など、8つのテーマのもとに方面の異なる33コースを織り交ぜて紹介する。例えば、「アレキサンダー大王生誕よりエジプト遠征まで5ヶ国25日間の旅」は、エコノミークラス利用で122万円から。
「ドバイとアラビア半島」は、今年の「旬のデスティネーション」として位置づけ。ドバイでは24軒のホテルを掲載しており、業界最多という。ドバイ以外では、カタールやオマーンなど8ヶ国を紹介する。「北米・南米 絶景40選」では、「景色」を切り口に、グランドキャニオンやニューヨークなどを取り上げる。
▽2007年度年間販売見込み
(方面/見込み人数/対前年度比/前年度目標/対前年度目標比)
ハワイ/26万4000人/1%増/27万1000人/2.6%減
ミクロネシア/25万4000人/2%減/25万人/1.6%増
アメリカ/7万2000人/5%減/7万7000人/6.5%減
ヨーロッパ/16万9000人/7%増/16万5000人/2.4%増
アジア/47万人/10%増/43万8000人/7.3%増
中国/8万5000人/6%増/10万1000人/15.9%減
オセアニア/9万8000人/3%減/10万8000人/9.3%減
合計/141万2000人/4%増/141万人/0.1%増
▽2008年度年間販売目標
(方面/目標人数/対前年度比)
ハワイ/25万4000人/4%減
ミクロネシア/26万3000人/4%増
アメリカ/7万2000人/増減なし
ヨーロッパ/18万人/7%増
アジア/48万人/2%増
中国/9万9000人/16%増
オセアニア/10万2000人/4%増
合計/145万人/3%増