2007年の海外旅行者数は1790万人−JTB予測

  • 2006年12月27日
 ジェイティービーは2007年の旅行市場の見通しを公表、これによると海外旅行は史上最高を記録した2000年の1782万人を超える前年比1.4%増の1790万人、国内旅行は微増の0.5%増の3億2000万人、訪日旅行者数は6.2%増の770万人としている。

 海外旅行は中国、アジアを中心にビジネス需要に活発な動きが見られ、全体の動向を押し上げる要因となりそう。また、関西国際空港の第2滑走路の供用開始、レジャー路線のチャーター便を活用する動きが定着しており、これもプラス要因として期待される。一方、円安、燃油サーチャージの高止まり、定期便のレジャー路線の縮小などマイナス要因も多く、ハワイ、ミクロネシア、オセアニアなどの旅行環境は厳しい。

 デスティネーションで注目される動きは、カジノホテルのオープンが続くマカオ、香港の人気が継続する気配があること。また、団塊世代の退職が控え、需要の増加が見込まれる欧州と中国への旅行者の動きは業界全体としても気になるところ。特に根強い人気のイタリアやフランス、今年注目を集めた中欧、東欧諸国の人気が定着する年となりそうだ。

 料金的には円安傾向が続き、旅行代金が上昇する傾向は続くが、07年の燃油サーチャージは06年平均を下回る見込み。これにより、海外旅行の平均消費額は0.6%増の29万9000円と推計され、海外旅行総消費額は1.9%増の5兆3500億円とJTBでは推計している。

 2006年と比べて来年は国内外の旅行需要に大きな影響を与えるイベントは少なく、好調な企業収益の一方で個人消費に陰りが出てきたという見方がある。ただし、JTBでは旅行意欲は依然として低下していないと捉えており、ゴールデンウィークの連休が06年の5日間と比べ1日少ない4連休になるが、3連休の数は06年の5回に対して9回と大幅増となり、国内、近場の海外を中心に旅行需要の伸びにも期待が高い。