観光関係予算、見かけ減も実質増、厳しい情勢も旅行業にも新たに配分

  • 2006年12月21日
 国土交通省総合政策局観光部門の平成19年度予算内示は、ビジット・ジャパン・キャンペーンの高度化で36億円、観光ルネサンス事業の拡充で4億円、ニューツーリズム創出・流通促進事業で1億円の合計41億円となった。観光部門では18年度予算の65億344万2000円に対し、19年度は64億980万9000円と0.99倍とここ数年はVJC事業を中核に伸び続けていたが、ひと段落する形。

 ただし、関係者の話では、従来の予算は「執行留保分」という金額が含まれており、「見かけ上は減額だが、この留保は今年は無く、実質的には増額」のよう。「執行留保」は当初の予算を節約、最終的には補正予算において、減額補正するもの。この計算では18年度のJC事業は36.7億円が実質予算となり、19年度内示額は40.9億と約4億円の増額を確保したことになる。

 VJC事業については、インド、ロシアなどの新市場への取組みのほか、国際会議の促進などを推進する。また、ニューツーリズム創出では要求では3億円であったが、内示額では1億円となったが、基本的な形態は変更せず、目的としていた新市場の創出、流通の促進を実施する。特に、予算が全体的に厳しい中、新規に旅行業に対する予算がつけられたことの評価は高いだろう。国交省でも、こうした背景を踏まえ、「目的を達成したい」としている。



▽観光関係予算内示(項目/内示額/伸率)
□観光政策課
経常事務費(観光対策)/50万2000円/0.92

□国際観光課
ビジット・ジャパン・キャンペーンの推進/35億634万円/0.93
独立行政法人国際観光振興機構運営費交付金/21億1137万6000円/0.93

□観光経済課
観光連絡調整経費/1232万5000円/0.98
ASEAN貿易投資観光促進センター拠出金/8777万6000円/1.00
世界観光機関(UNWTO)拠出金/2263万3000円/1.00
世界観光機関(UNWTO)分担金/4515万1000円/1.17
観光統計整備事業/2765万7000円/0.90

□観光地域振興課
観光ルネサンス事業/4億2846万9000円/1.22
訪日外国人旅行環境整備事業/4999万6000円/0.66
観光基盤施設整備経費/2795万6000円/0.92

□観光事業課
旅行業法の実施/449万9000円/0.87
ユニバーサルデザインの考え方に基づく観光促進事業/500万6000円/0.37
ニューツーリズム創出・流通促進事業/8012万3000円/皆増