年末年始の旅行動向、海旅史上3位の出国者数を予想、JTB予測

  • 2006年12月8日
 ジェイティービーがまとめた年末年始(2006年12月23日〜2007年1月3日)の旅行動向調査によると、海外旅行は3%増と堅調な推移となりそう。調査によると、国内旅行人数は前年比0.3%増の2940万人、海外旅行人数は3.2%増の64万8000人、国内外の旅行者数は0.4%増の3004万8000人。

 このうち海外旅行は、96年の68万4000人、2000年の65万5000人に続き史上3番目となる見通し。堅調な要因の背景は、冬のボーナス支給額2年連続の過去最高を記録するなど成長基調が続いていること、好調な企業の業績などの安定した景気が旅行意欲を後押ししたよう。

 海外旅行の方面別では、定番のハワイ、グアムが人気。年末年始の臨時便、チャーター便の設定があるものの、供給が足りないため、最終的な旅行者数は微増に留まる見通し。また、カジノホテルの開業をはじめ、人気が増しているマカオが注目され、その影響から香港も好調。中国は反日デモの影響を受けた前年から大幅な回復を見せている。一方、遠距離方面では北米、オセアニアが伸び悩むが、欧州は団塊層を惹き付けて安定した人気だ。

 旅行者層では、ファミリーの増加が顕著で、海外旅行者総数の伸びを牽引。ルックJTBではファミリー参加者が9.1%増と他のセグメントを抑えて最大の伸びを示した。他社もファミリーの参加率が最も上昇したのはハワイで26.6%増、次いで欧州が13.5%増。全方面におけるファミリーのシェアは平均57.5%となり、ハワイはファミリーのシェアが7割、グアムが8割を占める。


▽旅行費用も増加、1月出発も定着

 旅行平均費用は国内が0.2%増の3万4160円、海外が5.5%増の21万510円と海外は2年連続で前年を上回ったほか、国内は5年振りの増加となる。平均旅行日数は前年と変わらないものの、平均費用が前年比5.5%と大幅に増加するなど高額商品が好調な売れ行き、燃油サーチャージの増加で旅行代金が上昇した。例えばルックJTBでは、平均旅行代金がグアム、欧州、北米、アジア、中国で前年比10%以上の上昇という。総旅行消費額は2.6%増の1兆1407億円。

 出発日のピークは国内が12月31日、次いで30日、海外は12月30日、次いで29日。例年と比較すると、出発日は平準化している。1月の成人の日を含んだ連休の固定化で、正月明けの平日を比較的自由に休む傾向が定着。また、年末出発に比べ旅行代金が下がることから、1月の第1週目を旅行に利用する傾向が鮮明となっている。全体としては、出発日が多様化し、方面の選択肢も広がりを見せている。


▽JTB予測 2006/2007年末年始の海外旅行者数
海外旅行者数計(予測)68万4000人(0.4%増)
・アジア計      35万5000人(5.0%増)
  韓国       8万4000人(1.2%増)
  中国       9万人(7.1%増)
  香港       3万5000人(9.4%増)
  台湾       4万2000人(5.0%増)
  タイ       3万8000人(2.6%減)
  シンガポール   1万5500人(3.3%増)
  インドネシア   1万4000人(40.0%増)
  マレーシア    8万5000人(106.3%増)
  その他      2万8000人(3.7%増)
・北米計       5万500人(2.9%減)
  アメリカ本土   4万4000人(2.2%減)
  カナダ      6500人(7.1%減)
・ハワイ       6万2000人(3.3%増)
・グアム・サイパン  5万4000人(1.9%増)
・ヨーロッパ     8万人(2.6%増)
・オセアニア     3万7500人(1.3%減)
  オーストラリア  2万7000人(0%)
  ニュージーランド 6500人(7.1%減)
  南太平洋     4000人(0%)
・その他       9000人(0%)