羽田/虹橋間のチャーター便就航に向け、航空当局間で本格協議へ

  • 2006年10月12日
 先ごろ、日中首脳会談で安倍総理と温家宝中国首相が晩餐会の席上、羽田/上海・虹橋間の航空便の運航について合意、国土交通省航空局でも今後、具体的な協議を進めていく。航空局によると、これまでの中国民用航空総局と「話を進めてきた」としており、「正式な合意事項ではない」としているものの、今後、事務レベルで具体的な懸案事項について、双方で検討を進めていく。

 懸案事項のひとつは羽田、虹橋の両空港とも、国内線で発着枠に余裕が無いこと。羽田空港については、発着枠の捻出については具体的な検討がされているものの、虹橋については、中国国内の旺盛な需要がある中で、日本との路線を実現するための具体的な枠の捻出という高いハードルを乗り越える必要がある。また、国内線専用として現在は利用していることからCIQは無く、こうした設備を再度、整える必要がある。虹橋にも羽田と同様に新たな滑走路の構想があるものの、今回のトップ会談での合意に沿う早期実現には、そぐわないことから、現在の発着枠の中で検討を進めていく。

 また、発着枠の捻出などがまとまった後にも、就航する航空会社の問題がある。現在の東京/上海間を運航する航空会社は日中、それぞれ2社(コードシェアで中国系は3社)だが、虹橋への就航を前提として、羽田へ乗入れる航空会社の協議も進める必要がある。さらに羽田、虹橋ともそれぞれの地元との調整、特に羽田では成田との整合性なども課題だ。

 航空座席の販売方法についても、旅行業界としては興味のあるところ。今回の首脳レベルで合意した羽田/虹橋間は、昼間に運航するチャーター便であることを前提としており、羽田/仁川間で特例として実施している個人客の50%未満で個人客への販売を可能とするか、も感心の集まるところ。航空局は「航空会社と消費者のベストな状況をつくること」と回答し、羽田/仁川間の販売方法も方向性として念頭にある模様だ。