次期内閣でも観光重視の政策は変わらず−北側大臣、JATA旅行博が開幕

  • 2006年9月22日
 北側国土交通大臣はJATA国際観光会議の冒頭の挨拶で、次期政権でも観光政策の重要性は変わらないことを強調した。20日に自民党新総裁が決まり、来週にも新内閣が発足する見込み。北側大臣は「小泉内閣では『観光立国』が政策の大きな柱であった。次期内閣でも海外の交流を重視する政策は変わらない」と語り、小泉政権で観光を経済活性化の原動力とする考え方が、次期内閣でも堅持されていくことを強調した。

 また、北側大臣は過去2年間の観光立国担当大臣の経験を振り返り、観光の良い点について、「Win/Win」の関係が作ることが出来ることをあげる。特に、多くの人が海外に行き、政府が推進するビジット・ジャパン・キャンペーンと連動し、相互交流、特に日本型の観光政策であるアウト/インの一体型の「2way ツーリズム」推進の利点を強調する。今後は、団塊世代の大量退職を契機として「海外に(多くの団塊世代が)行くことは間違いない」と断言し、「新しいブームが来る」とも予測。

 こうした時期に官民が一体となり、観光を盛り上げることが重要との考えも示す。経済的な側面では新たな雇用の創出を促進する効果もあり、「21世紀のリーディング産業にしていく必要がある」としたほか、相互交流で国際社会の安定や平和に大きな力があるも語り、会議に参集した人に向け「一緒に大きく寄与したい」と今後の観光・旅行業界の発展にも力を尽くすことに言及した。


▽三位一体の旅行業の取り組み

 JATA新町光示会長は、「政府が進める観光立国についてアウトバウンド、インバウンド、国内旅行の三位一体が重要であることを強調、これを推進する考えを改めて示した。
 渡航者数を2000万人とする目標については「2000年レベルに回復するひとつの過程」として、テロ、紛争、自然災害などの阻害要因を乗り越え、市場の拡大に向けた取り組みを進める必要性について示唆した。
 また、今年の旅行博のテーマ「旅の力(ザ・ダイナミズム・オブ・トラベル)」に触れ、旅は旅行することによる感動や癒し、家族の交流だけでなく、健全な国際社会の形成にも大きな役割を果たしていることを強調。この潜在的な「力」を表現したいとした。

 JATA国際観光会議が21日に開催、22日はJATA旅行博の開幕で業界日、23日、24日と消費者を対象に旅行需要の喚起に結びつける。