日中航空交渉、旅客便の輸送力2割増などで合意、就航地点も2地点増加し姉妹都市交流にも好材料

  • 2006年7月14日
 北側一雄国土交通大臣と楊元元中国民用航空総局長が7月13日、北京の民用航空総局で会談、日本・中国の航空交渉で合意に至った。合意内容は日中間の就航地点を現行の21地点から2地点追加し、23地点とすること、輸送力は旅客で日中とも現行の旅客輸送力を2割増とする。具体的な輸送力は旅客便ボーイングB767-300型機相当で、現行の約450便から合計週92便増の約540便の規模となる。
 これに加え、コードシェアについては相手国内区間のコードシェアが可能な路線数の拡大、および新規企業の参画も可能とし、現行は6社のところ双方ともそれぞれ13社まで就航が可能となる。

 これまでの航空交渉では中国側が成田への就航にこだわったとされているが、今回の合意は日本/中国間の総枠が対象。成田での増便の可能性もあるが、同時に中部、関西、その他の空港の可能性もあり、具体的な枠は明記されていない。この合意の背景は、2005年の旅客は暦年で04年並み、年度では反日デモの需要減退要因もありマイナス成長だが、日中間の旅客需要が今年に入り、急速に回復している。こうした点で、中国側はこれまで、成田の枠をこだわったが、需要が戻りつつあることから、日本/中国間の総枠での合意にも理解が得られる形となった。
 また、今回の合意は観光の側面でも、日本/中国とも就航地点が2地点増え、23地点となることにより、姉妹都市交流などを促進することに大きな意味がある。今年は日中観光年で青少年交流のほか、姉妹、友好都市交流が含まれている。こうした姉妹都市交流では、特に地方都市同士の交流の活発化が期待されているところ。今後は、日中の地方都市を結ぶ便が増えることも期待される。

 ただし、現実的に日系企業では、日中間の枠が頭打ちとなっていたことから、関空、中部間で路線展開を融通する便もあり、こうした展開も現実的には下期スケジュールまでには解消されることが見込まれる。
 合意について北側大臣は「両国間のいっそうの人的交流の促進のために大変異議あるもの」とし、「日中間の航空関係がますます発展していくことを心から期待しています」との談話を発表している。

 現在、旅客便の運航状況は日本側が日本航空(JL)、全日空(NH)の週223便、中国側が中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空、上海航空、海南航空、アモイ航空の週283便。日本国内の就航地は日本企業9地点、中国企業18地点、中国国内では日本企業16地点、中国企業21地点だ。