日本人出国者数、3月は2.3%増、4月は2.8%減と増減はげしく

  • 2006年6月5日
 国際観光振興機構(JNTO)によると、日本人出国者数の3月は前年比2.3%増の156万8000人、4月は2.8%減の129万2000人であった(JNTO推計値)。マイナス要因としては円安傾向が昨年秋口から進んだことのほか、フランスでのデモによるイメージ低下、鳥インフルエンザへの懸念などがあったが、プラス要素としては中国方面については反日運動による反動に加え、ビジネスが堅調に推移している。1月からの累計では1.6%減の560万2000人となっており、昨年からやや下回る水準で推移しているものの、今後の反日デモの反動が数値に反映してくるものと想定される。

 また、訪日外客数は3月は3.8%増の57万9000人、4月は15.1%増の67万2600人となった。3月については昨年は中部国際空港の開港、韓国人、台湾人に対する査証免除措置の適用開始、愛・地球博の開幕と好要因が重なり、2004年比で14.1%増となったこともうけ、今年の増加率はやや緩やかになった。4月については韓国、中国ともに反日デモが発生したことを受け伸び率が悪く、今年はこうしたマイナス要因が燃油サーチャージのみとなり、大きな伸びを記録した。なお、4月としては初の60万人台を記録した。
 国別の伸び率では1月から3月は中国が29.9%増と最も伸び率が高く、韓国が13.4%増、台湾が13.1%増、タイが12.5%増、香港10.1%増と続いている。4月については香港が104.3%増の3万4700人と倍増、シンガポールが1万900人で38.2%増、韓国が33.2%増の16万2600人、中国が31.7%増の7万4200人となっている。