エルサルバドル、観光大臣初来日、14年までにアジア諸国シェア5%へ

エルサルバドル議会では今年1月、新旅行業法、および2014年国家観光計画を策定した。これは、現在約115万人の外国人訪問者数を2014年までに200万人にまで引き上げることを目標に掲げる。日本を含むアジア諸国からの訪問者数は全体の1%以下にすぎず、駐日エルサルバドル特命全権大使のリカルド・パレデス氏によると「2005年は約2000人が訪問」したという。2014年国家観光計画では全体の訪問者数が少なくとも200万人、日本を含むアジア諸国からの訪問者数が全体の5%まで伸ばす考えだ。
また、観光大臣のロッチ氏は、「エルサルバドルが中米、マヤ文明への入り口である」ことを強調、空港、港、高速道路などインフラ整備が進む強みをアピール。そのほか、エルサルバドル旅行業者協会代表のアルトゥロ・モラレス氏は、山岳地帯や火山をはじめ、マングローブの森やビーチ、豊富な遺跡が存在するエルサルバドルの自然、歴史や文化の魅力を紹介した。
セミナーでは、日本の旅行業界が活発に質問、提案した。日本からは直行便がないため米国のロサンゼルス、サンフランシスコを経由することが多い。この場合、乗り継ぎに時間が掛かること、これにより現地で観光する時間が短くなり、日本人の旅行意欲を削ぐ可能性を指摘。首都サンサルバドルを本拠地におくタカ航空副社長のウイリアム・ハンダル氏は、エルサルバドル側は日本マーケットが未成熟で運航スケジュールの変更に困難を伴うことを説明する一方、スケジュール変更も視野に入れ、検討する姿勢も示した。
また、現状の治安に関する説明を求め、ロッチ氏は「政府とゲリラ間で92年、和平合意に調印、内戦が終結し安全な状態だが、過去に報道されたメディアの影響を受け、現在もなおそのイメージを払拭できていないのが実状」とコメント。解決策の一つにこのほど、国際的に活躍するPR代理店と契約、今後はエルサルバドルのポジティブなメッセージを世界に情報発信していき、イメージ打破を進めていくことを説明した。