パッケージ旅行の「手ぶら旅行」実証実験、JTBの協力を得てNAAなどが実施

  • 2006年2月27日
 成田国際空港(NAA)などは、自宅/海外渡航先ホテル間の「手ぶら旅行」を実現するため、旅行会社の協力を得てサービスモデルの試行運用を3月から実施する。これまで主に、航空会社の協力を得て、自宅/最終到着空港間の往復で手ぶらサービスを展開。今回は、渡航先空港/ホテル間の荷物搬送サービスを旅行会社の催行するツアーと連動して実験を行う。なお、運用はNAAや航空会社、宅配業者などで構成する次世代空港システム技術研究組合(ASTREC)が主体となり、今回の実験ではジェイティービー、全日空(NH)などが協力する。
 試行運用はJTBが指定する3月出発欧州方面のツアーを予定。人数は200名程度を予定しており、JTBが該当ツアーの参加者に実験参加を勧誘する。今回の手ぶら旅行の試行運用の実施方面は、これまでの実証実験と同様にヨーロッパ方面で行う。また、アメリカ方面については、姉妹空港の覚書(MOU)を結ぶニューヨーク・ニュージャージー港湾局(PANYNJ)に試行運用の協力を働き掛けているところ。

 JTBで、将来的にはルックJTBなどのパッケージ商品についてもサービスのひとつとして考えているものの、今回の実証実験に協力するツアーはアンケートの回収などの実務面を考慮し、オーガナイザーのいる団体旅行に協力を求める計画。
 実証実験では、荷物の流れがこれまでの実験と異なり、出発国の空港でピックアップしなければならないという煩雑さも加わる。だが、これまで旅行会社で実施してきたサービスをどこまで「eエアポート構想」などで描く旅行へ近づけるかの実証でもある。特に、機械化する中で、航空会社側の端末などで、同姓同名の識別が確実に出来るか、団体旅行での荷物のイレギュラーが発生する場合についての対応も含めて考える、など旅行会社がこれまで「人」を通じて実施したサービスを機械化する上での問題点、省力化が可能な点などを見出していく。