JATA、国内旅行委員会を南東北広域観光推進協と共に開催、活性化へ議論

  • 2005年9月7日
 日本旅行業協会(JATA)はこのほど、国内旅行委員会を南東北広域観光推進協議会と共にフォーラム形式で開催した。これは昨年、国内旅行委員会で取りまとめた国内旅行の活性化についての提言において、地域との連携を積極化することを盛り込んだことを受けたもの。既に2月には鹿児島で九州観光戦略委員会と意見交換をしているが、JATAとして国内の広域観光振興会と連携する会議は2回目となるもの。
 南東北広域観光推進協議会は福島県、山形県、宮城県の東北3県の観光関連団体、旅館、東日本旅客鉄道などで構成するもの。推進協によると、南東北への広域の入込者数は横ばい、もしくは減少傾向にあり、温泉地も年100万人を超える場所も少ない。こうした問題を抱えながら、受入れ側は旅館の冬場の料金設定が低価格すぎること、各地域の季節感を考慮した旅行商品が不足していること、PR不足によるデスティネーションの差別化が図れていないことが問題と認識する。これは、旅行内容として温泉、雪、湖を重視する場合、航空運賃を含む北海道への旅行商品と価格的に同様なことから、消費者としては北海道を選択する場合が多いという実態を踏まえたもの。また、旅行会社からは新幹線などの一次交通から、地域内の交通である二次交通の整備について要望があった。
 JATAによると、南東北地域は団体型から個人型の旅行需要の対応へと変化をしているところで、今後はインバウンド旅客も踏まえ、アジア圏でのデスティネーション競争も視野に入れる必要があるとしている。特に、南東北については新幹線「はやて」の効果から、素通りをする傾向がこのところ顕著で、主力となる関東圏の旅客に改めてデスティネーションとして訴求する必要があるようだ。