旅行関連EC市場、BtoBは39%増の約1兆円超、BtoCも伸び順調

  • 2005年6月29日
 経済産業省、次世代電子商取引推進協議会、NTTデータ経営研究所が共同で実施した「電子商取引に関する実態・市場規模調査」によると、運輸・旅行サービスのBtoBのEC市場規模は前回調査時から38.9%増の1兆650億円、BtoC市場では39.5%増の6610億円であることが分かった。このうち、BtoBの運輸・旅行サービスについては前回調査に続き市場規模が大きく拡大している分野として位置づけられている。電子商取引化率は4.1%で、VAN・専用線など従来型のEDI(電子データ交換)を含めた電子化率は18.0%、市場規模は4兆6330億円。自動車の65.6%、電子・情報関連機器の44.7%、情報処理・ソフトウエア関連サービスの33.1%と比べまだまだ普及はしていないものの、旅行代理店のビジネスユースが進んだことが今回調査の伸びとなったようだ。
 BtoC市場では、全体の市場規模は5兆6430億円で、旅行は11.7%と不動産の18.6%(1兆490億円)に次ぐ第2位のシェア。3位に自動車が11.6%(6560億円)、4位にエンターテインメントの7.5%(4210億円)、5位に趣味・雑貨・家具・その他の6.1%(3420億円)と続いている。1位の不動産や3位の自動車は金額規模で前回調査から落ち着きを見せる中、旅行は39.5%増、金額にして1870億円の増加となり、引き続き大きな伸びを示している。また、モバイルBtoC市場は前回調査から25%増となる9710億円。モバイルでのけん引役である着うた、着信メロディなどを含むエンタテイメントが21.4%を占め、引き続き増加傾向を示し、次に書籍・音楽が7.4%、旅行が6.5%と続く。傾向として、携帯電話を利用したチケットレスでの航空機、バスなどへの搭乗・乗車が一部で可能になり、取引の電子化からチケットそのものを電子化するサービスが消費者の支持による市場拡大が進んでいると調査では分析。宿泊予約についても、これまでの主流であったビジネスユースからレジャーでも市場を広げているとしている。
 また、この調査ではCtoC、いわゆるオークション取引など消費者間の取引の流通総額も7840億円に達していることを報告している。こうしたことから、オークションについても消費者に着実に根付いていると位置づけている。