JATA、07年2000万人実現へ特別プロジェクト、地方別に目標値も

  • 2004年11月17日
 日本旅行業協会(JATA)は2007年の2000万人の実現に向け、海外旅行委員会においてアクションプランを検討、このほどJATA地方支部の了解を大枠で取り付け、「2000万人特別プロジェクト」を推進する。プロジェクト・チームの座長はワールド航空サービス 代表取締役社長の菊間潤吾氏。
 今年は1650万人を目標既に発表済みの年度別目標は2004年に1650万人、05年に1735万人、06年に1850万人、07年に2000万人と年率で5%から8%増としている。また、素案の段階だが、地方別ではJATAの地方支部に対応し、北海道が50万人(2002年比:36.9%増)、東北が70万人(同:32.0%増)、関東が1000万人(同:28.5%増)、中部が300万人(同:39.6%増)、関西が400万人(同:34.5%増)、中四国が100万人(8.9%増)、九州が150万人(同:31.2%増)、沖縄が10万人(16.3%増)の合計2080万人を予測。JATA事務局長の石山醇氏は「地方支部別で見れば、今年度の目標値の達成にばらつきが予測され、スタート時点から最終目標に到達するまでのハードルに違いはあるが、全体では概ね達成できる」との意気込みを示し、観光局や航空会社との協力を得て、地方での活性化を狙う。

 このアクションプランは2000万人の海外旅行者数の達成が目標。今年6月に開催した海外旅行委員会で委員全員からの発言がたたき台となった。この中で、社内での人材育成や社員のモチベーション向上を伴う体質改善、新たな旅行を創造する商品開発、世界各国や近隣諸国と比較しても低い出国率、都市と地方の出国率格差、ファッション業界のような流行の発信、運賃体系の多様化やチャーターの増加を目指した航空会社との連携、送客サイドからのデスティネーション・マーケティングなどが課題として挙がった。こうしたことを受け、アクションプランの遂行にあたり、JATA地方支部の協力が不可欠との判断から、本部との連携で事業を展開する。
 JATA地方支部に提案した素案の大きな柱は、デスティネーション別の目標人数の設定と具体策を実現するアクションプランの2つ。デスティネーションの目標人数は9月に開催したJATA国際会議の席上で、年100万人以上、年50万人から100万人、その他の主要デスティネーション、今後に開発を進めるデスティネーションの4分類がそれぞれ年5%から10%程度の増加を目標値として想定。今回の素案でも国、地域について入れ替えがあったものの、基本的な考え方は継承する。
 また、アクションプランは2000万人特別プロジェクトの活動として大きく5つを規定。(1)地方別の海外旅行促進イベントとして地方支部と観光局がタイアップしてアピールする「海外カルチャーフェスティバル」、(2)全国的な規模の写真・紀行文コンテストとして「旅のフォトグランプリ」、(3)世界旅行博を活用する需要喚起、(4)これまでのFAMツアーではなく、研究・開発を主目的とした「JATA主催の新商品企画調査団の推進」、(5)トラベルカウンセラー制度を推進する。

 現在、JATAの地方支部の説明は終了した段階だが、今後、観光局、航空会社の各担当者に企画を提案する。観光局については来年6月からデスティネーション・スペシャリストの開始もあり、コンタクトのある担当者については一様に好印象。ただし、本局とのコンセンサス、予算、人員確保などの問題もあり、一斉に全観光局が参画するのではなく、アクションプランに参加できるところから開始していくことになりそう。
 また、来年の愛・地球博において、各国のナショナルデーに合わせ、各国の伝統芸能や特色ある文化を披露する一段が来日するものと見込まれる。この機会を利用し、JATAの支部との連携を利用し、各地を巡回して旅行需要の促進につなげることも案の一つだ。