センチュリークルーズ、日本市場開拓を加速 旅行会社出身者を相次ぎ採用、取扱社は倍増へ

 長江を主力にリバークルーズを展開するセンチュリークルーズが、日本市場の開拓を加速している。4月に久野健吾氏が日本法人CEOに就任して以降、旅行会社への営業やFAMトリップ、販促ツールの整備を進め、取り扱う旅行会社は従来の5~7社程度から、販売開始予定を含め10~15社程度まで増加した。さらに旅行会社出身者を相次いで採用し、B2B営業を中心とする体制を強化。当面は取扱社数20~30社程度を目指す。

日本市場の開拓を加速するセンチュリークルーズジャパン。CEOの久野健吾氏(前列左)、事業統括本部長の松原陽介氏(前列右)、セールス&マーケティング アシスタントマネージャーの角田理紗氏(後列右)、セールス&マーケティングアシスタントの仲村小百合氏(後列左)

 新たに事業統括本部長として加わったのが、三越伊勢丹ニッコウトラベルに23年間在籍した松原陽介氏だ。セールス&マーケティングのアシスタントマネージャーには、ベストワンドットコムでクルーズ販売などに携わった角田理紗氏を迎えた。

 久野氏は採用の狙いについて、「基本的に日本法人はB2Bの営業。直販をする予定はない」と説明。旅行会社営業の強化を最大の目的に挙げる一方、インフルエンサーなどを活用したマーケティングも継続し、セールスとマーケティングの両面から市場を開拓する考えだ。

 4月以降はパンフレット類も整備した。長江三峡を中心に欧州、エジプトの商品も紹介する総合パンフレットに加え、欧州リバークルーズ専用のパンフレットなどを制作。旅行会社向けの営業では、商品設定だけでなく、設定後の販促支援を重視している。

 久野氏は「商品を設定してもらって、あとは任せますというわけにはいかない」と強調。旅行会社を訪問し、DMやオンライン・オフラインの説明会などを組み合わせて販売を後押しする。実際に消費者向け説明会では、参加者の3~4割程度が予約につながったケースもあったという。

 取扱旅行会社は、以前の5~7社程度から、販売開始済みまたは開始予定を含め10~15社程度へ増えた。久野氏は「少なくとも20~30社ぐらいまで増やしたい」とする一方、単純に契約社数だけを追うのではなく、日本法人の人員体制や各社への販売支援とのバランスを重視する姿勢を示す。

23年勤めた旅行会社から船会社へ

 販売体制強化の中心的役割を担う松原氏は、新卒で三越伊勢丹ニッコウトラベルに入社し、23年間勤務した。2010年頃から2019年までは約10年間クルーズ部門に在籍。海洋クルーズだけでなくリバークルーズも扱い、その後は店舗での接客、国内旅行の商品企画、海外旅行部門の統括など幅広い業務を経験した。添乗では約90カ国を訪れたという。

 転職のきっかけの一つになったのが、2025年11月に前職にてセンチュリークルーズ社の長江クルーズに添乗したこと。

 松原氏は以前から長江クルーズへの添乗経験があったが、かつての中国船のイメージを持って乗船したところ、現在の船の品質との違いに驚いたという。「この船であれば、お客様に自信を持っておすすめできる」と感じたことに加え、センチュリークルーズが長江から欧州、さらにエジプトへと事業を拡大する段階にあることも転身を後押しした。

 中国市場については地政学的なリスクを認識しながらも、「根強い中国のリピーター、ファンはいる。まだまだ伸ばしていける」と見る。一方、リバークルーズそのものについても、日本のシニア・高付加価値旅行市場には成長余地があると指摘する。

 「海のクルーズを経験してきた方にも、川沿いの景色を見ながら半日は観光、半日はゆっくり過ごすリバークルーズのスタイルは合う。シニアのラグジュアリーマーケットにはまだ伸びしろがある」と話す。

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