星野氏、観光庁予算の国内旅行への配分拡大を主張-星野リゾートプレス発表会

  • 2026年10月26日
星野氏

 星野リゾートが10月21日に開催した秋のオンラインプレス発表会で、同社代表の星野佳路氏は観光庁の2027年度予算について「日本の旅行需要の大半が日本人の国内旅行であり、一番大切。もっと力を入れ、観光庁の予算を(国内旅行に)多く割り振るのが必要なのでは」と指摘した。

 観光庁は概算要求において、国際観光旅客税(出国税)を財源とする事業に1800億円、一般財源事業に99億7600万円を要求。出国税を財源とする事業については改正国際観光振興法で国際観光振興施策に使用すると定められており、具体的にはストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等の3分野などで活用されている。

国内旅行の規模は26.8兆円

 また、観光庁は一般財源において、「インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保との両立」で66億7100万円、「国内交流・アウトバウンド拡大」で12億2000万円、「観光地・観光産業の強靱化」で11億8700万円、その他経常事務費等で8億9800万円を要求している。

 星野氏はこうした現状に対し、「もし1800億円がインバウンド用にしか使えないなら、一般財源の100億円はすべて国内に回すべきでは」と持論を展開。日本の観光産業の総需要を見ると、大半が日本人による日本国内観光であるとし、「我々にとって一番大事なお客様は、日本人による日本国内旅行。観光庁全体の予算の多くをそこに割り振っていくことが必要では」と訴えた。

 一般財源については、インフラの充実や、国内の観光地のサポート、プロモーションへの活用を提案。現在国内旅行市場を支えている団塊の世代が後期高齢者となり、旅行参加率が減少しているなか、将来の旅行需要を見据え、10代から20代の若者層の旅行促進が必要との考えを示した。

 星野リゾートでは若者をターゲットにした「BEB」ブランドを展開しているほか、若者向けの割引プランを実施。若者層の取り込みにより星野リゾートのファンを作り、結婚後家族で「リゾナーレ」ブランドを利用するなど、将来的かつ長期的な需要を見越して投資を行っているという。星野氏は「国も長期的に日本の観光市場を支えるマーケットに早い段階から投資するような施策を実施していくべき」と語った。

 一方、訪日需要に対しては、星野氏は「2026年は観光庁発足後、コロナ以外で成長してきた訪日外客数が今年初めて減少する」との見通しを説明。訪日中国人の減少などが要因であるとしつつ、2025年の訪日外客数4268万3301人について、ビザ発給の緩和や円安が寄与したことから「実力以上の数字」との認識を示した。なお、日本政府観光局(JNTO)によれば1月から9月までの訪日外客数は前年比2.9%減の3073万200人となっている。

 星野氏は「(伸びが)鈍化することは悪くない」としたうえで、「踊り場になった時に実力と実態を合わせ、ギャップを埋めていく努力ができる。急成長したときに起きたひずみを解決する時間にあてようと思って欲しい」と呼びかけた。