エクスペディア、2027年注目旅行先に兵庫県を選出 検索95%増、「童心に返る旅」は日本のZ世代79%が意向

  • 2026年10月20日
Unpack '27

 エクスペディア・グループは10月15日、2027年の旅行トレンドをまとめた年次レポート「Unpack '27」を発表した。旅行検索数の伸びから選ぶ「2027年の注目旅行先」10カ所に、日本からは兵庫県が唯一選出された。兵庫県の検索数は前年同期比95%増で、選出された10カ所の中では米国のサウス・レイクタホ(195%増)に次ぐ伸びとなった。また、日本を含む世界16地域の旅行者2万6000人を対象とした調査などから、「童心に返る旅」や「ロケ地巡り旅」の需要拡大を予測している。

兵庫県の検索数95%増、持続可能な観光への取り組みも評価

 注目旅行先は、2025年9月1日から2026年7月27日までのエクスペディアにおける旅行検索数を前年同期と比較して選出したもの。上位にはサウス・レイクタホ、兵庫県に続き、ウルグアイのプンタ・デル・エステ(65%増)、米国のセドナ(55%増)、韓国の釜山(50%増)が並んだ。このほか、メキシコのホルボックス島、イタリアのペルージャ、オーストラリアのツイード、カナダのナイアガラ・オン・ザ・レイク、英国のチチェスターが選ばれた。

 兵庫県については、世界遺産の姫路城や有馬温泉、神戸ビーフなどの観光資源に加え、都市と自然、歴史文化を組み合わせた多様な旅行体験が評価された。ひょうご観光本部によると、大阪・京都からのアクセスの良さも評価理由の一つという。同本部では2024年度から海外OTAを活用した訪日プロモーションを展開しており、2025年度からはエクスペディアも活用。欧米豪などを対象に県の認知度向上を図ってきた。

 また、兵庫県は持続可能な観光への取り組みを評価するエクスペディア独自の「スマート・トラベル・ヘルスチェック」にも認定された。これは世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の持続可能な観光管理に関する考え方を参考に、地域社会や環境への負担に配慮した観光地を評価する仕組みで、今回選ばれた10カ所のうち6カ所が認定されている。

「童心に返る旅」、日本のZ世代79%が予約意向

 旅行スタイルでは、仕事や日常の責任から離れ、子どもの頃のような自由な気持ちや楽しさを取り戻す「童心に返る旅」に注目した。世界の旅行者の57%が2027年にこうした旅行を予約する可能性があると回答し、Z世代とミレニアル世代では71%に上った。日本人全体では44%と世界平均を下回ったものの、日本のZ世代では79%に達し、若年層で特に高い旅行意向が示された。

 大人だけで遊園地やテーマパークを訪れる目的について、日本人の63%が「気楽なお出かけの一日を楽しむため」、58%が「パートナーや友人など大切な人たちとの特別な時間を過ごすため」、48%が「日々の責任やストレスからの解放」と回答した。テーマパークに加え、大人向けクルーズや体験型施設など、従来のファミリー需要とは異なる旅行商品の可能性も示唆される。

ロケ地巡りは引き続き注目、日本人の支出意向も高く

 一方、テレビ番組や映画の舞台を訪れる「ロケ地巡り旅」は、エクスペディアが2023年の旅行トレンドとして初めて取り上げて以来、継続して注目分野に位置付けている。世界の旅行者の18%が映像作品をきっかけに旅行先を予約した経験があると回答。さらに、作品の公開前から舞台となる旅行先を調べたり、実際に予約した経験がある割合は世界全体で46%、日本では53%となり、日本のZ世代とミレニアル世代では63%に達した。

 ロケ地巡りに対する支出意向も日本では高い。旅行にかけてもよい金額として「2000ドル超(約30万円超)」を選んだ割合は日本で17%となり、世界全体の9%を大きく上回った。日本で最も回答が多かった価格帯は651~1000ドル(約9万8000~15万円)で26%を占め、世界全体で最多だった300~650ドル(約4万5000~9万8000円)より高い価格帯となった。

 映像作品が実際の旅行検索を押し上げる事例も確認された。ドラマシリーズ「エミリー、パリへ行く」のモナコでの撮影が発表された後の30日間で、同社グループにおけるモナコの旅行検索数は発表前の30日間と比べて120%以上増加した。2027年のロケ地巡り先としては、モナコやギリシャ、フランスのカンヌ・サントロペ、韓国のソウルなどを挙げている。

 エクスペディア・グループCEOのアリアン・ゴリン氏は、2027年は旅行者が自分の望む体験をより意識して旅行先を選ぶようになるとの見方を示している。

 今回のレポートは、同社グループの検索・利用データやSNS分析に加え、調査会社OnePollが2026年8月4日から9月1日にかけて実施したオンライン調査をもとに作成した。調査対象は、今後3年以内に国内または海外旅行を計画している16地域の成人2万6000人。