ザルツブルクに「サウンド・オブ・ミュージック」博物館、映画とトラップ一家の実像を紹介

  • 2026年10月15日

 オーストリア・ザルツブルク市のヘルブルン宮殿敷地内に9月20日、映画「サウンド・オブ・ミュージック」をテーマにした博物館「サウンド・オブ・ミュージック・ザルツブルク」が開館した。映画や舞台版の歴史に加え、実在したフォン・トラップ一家の歩みを紹介する。ザルツブルクに同作品を総合的に扱う博物館が開設されるのは初めて。

 展示施設は、宮殿敷地内の狩猟館、飼育係の館、馬車庫を改修して整備した。展示面積は約668平方メートルで、映画の小道具やポスター、舞台版の資料など477点を展示する。1959年のミュージカルの録音や、1964年の映画撮影時の映像・音声、マリア・フォン・トラップの映像も紹介する。

馬車庫を活用した展示室(© Salzburg Museum/Tolga Salpat)

 見どころの一つは、映画の撮影にも使われたガラスのあずまやだ。実物が見学ルートに組み込まれたほか、馬車庫にはあずまやを再現した360度映像のイマーシブ空間を設けた。「もうすぐ17歳」や「ドレミの歌」のメロディとともに、映画の場面を映像で体験できる。

 展示では、映画の物語と一家の実際の歴史を比較する。映画ではアルプスを越えて逃れたように描かれるが、実際には1938年に列車で南チロルを経由して移住した。作品の背景にある史実や、映画が世界に与えた影響も取り上げる。

開館セレモニーで披露された、ザルツブルク州立劇場による「サウンド・オブ・ミュージック」の上演(© Salzburg Museum/Helena Kalleitner)

 博物館はザルツブルク博物館が運営する。開館時間はヘルブルン宮殿に準じ、2026年10月1日から11月1日までは9時30分から17時30分まで。冬期は閉館し、2027年3月20日に再開館する予定。入館料は大人8ユーロ、家族券16ユーロ、割引料金4.8ユーロ。

 ザルツブルクと周辺地域は映画の主要な撮影地で、現在もロケ地を巡るバスツアーや自転車ツアー、ガイドツアーが行われている。新博物館は、映画を軸にした観光の新たな訪問先となる。