JATAなど5団体、クルーズ100万人協議会を設置 専用サイト開設、若年層開拓へ

  • 2026年10月8日
JATA
JATA海外旅行推進部の大久保英男副部長

 日本旅行業協会(JATA)など5団体は、2030年までに日本人クルーズ人口100万人を目指す「日本人クルーズ人口100万人協議会」を設け、消費者向けの専用ウェブサイト「Let’s CRUISE 1M(Million)~100万人で行こうよ!船旅へ~」を開設した。クルーズや港に関する情報を一元的に発信し、若年層やファミリー層など新たな需要の開拓を図る。今後はサイトを起点に、5団体共同のキャンペーンやイベントなども検討する。

 協議会にはJATA、日本外航客船協会(JOPA)、日本国際クルーズ協議会(JICC)に加え、港湾に関する調査研究などを手掛けるみなと総合研究財団(WAVE)、クルーズの体験発信や新たなファン層の開拓に取り組むクルーズイズムが参加する。専用サイトは9月24日に開設し、クルーズや港に関するニュース、説明会などのイベント情報、ユーチューバーによるブログ記事などを掲載する。

 JATA海外旅行推進部の大久保英男副部長は10月8日の定例会見で、協議会は今年7月ごろに5団体で設置したと説明。まずは各団体がそれぞれの強みを生かして情報発信を進め、今後、サイトの認知が広がれば共同キャンペーンやイベントなどにも活動を広げたい考えを示した。

 各団体の役割については、JATAが旅行商品の普及、JOPAが日本船に関する情報発信、JICCが外国船を中心とした日本発着クルーズなどの情報発信、WAVEが港や港湾イベントなどの情報発信を担うほか、クルーズイズムには若年層への情報拡散を期待する。大久保氏は、船、旅行商品、港などの情報がそれぞれ個別に発信されている現状を踏まえ、異なる立場の5団体が情報を持ち寄ることで、消費者がクルーズ関連情報に触れやすい場を作りたい考えを示した。

 なお、サイトでは当面、旅行商品の直接販売や旅行会社への送客導線は設けない。大久保氏は、商品情報を前面に出すと販売色が強くなるとして、「当面はインフォメーション情報の提供」を中心にすると説明した。一方で、利用者からのニーズなどを踏まえ、各旅行会社の販売戦略との調整ができれば、将来的な販売導線については検討する余地があるとした。

 掲載するクルーズについても、まずは日本国内や日本発着の情報を中心に充実させるが、今後は海外発着のフライ&クルーズに関する情報も旅行会社などから発信していく考え。

 大久保氏によると、フライ&クルーズについては、現状では「思ったほど伸びていない」という。円安に加え、クルーズ商品と組み合わせる需要の多いビジネスクラスの座席確保が難しいことや、地政学的な影響などが要因としている。海外旅行市場全体の回復状況とも連動しているとの見方だ。

 新規需要の獲得では、若年層とファミリー層を重視する。大久保氏は具体的な若年層として20~30代を念頭に置き、サイトでユーチューバーによる体験記事などを発信するほか、修学旅行でのクルーズ利用促進にも取り組む。海外では若者やファミリーが気軽にクルーズを楽しむ市場が形成されている一方、日本ではそうした利用スタイルがまだ十分に広がっていないとして、新しい顧客層への浸透を図る。

 JATAでは並行して、クルーズ商品を取り扱う旅行会社を増やす取り組みも継続する。12月にクルーズイズムが開催する「クルーズEXPO」についても、JATA加盟旅行会社の参加を促し、消費者にクルーズ商品を知ってもらう場として活用していく考えを示した。