主要ビジネス旅行都市のホテル料金、27年も上昇基調 地域差鮮明、Amex GBT予測

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 アメリカン・エキスプレス・グローバル・ビジネス・トラベル(Amex GBT)は、世界の主要ビジネス旅行都市を対象とした「Hotel Monitor 2027」を発表した。2027年もホテル料金は全体として上昇基調が続くと予測。米州や欧州では堅調な企業出張や会議・イベント需要、インフレが料金を押し上げる一方、アジア太平洋では上昇幅が比較的緩やかになるとみている。東京のホテル料金は現地通貨ベースで前年比3.3~4.9%の上昇を予測する。

 今回の特徴は、地政学上の不確実性や商品価格の変動を踏まえ、ホテル料金の予測を従来の単一値から初めてレンジに変更したこと。Amex GBTは、中東紛争が早期に収束しない場合、または世界のインフレ率が国際通貨基金(IMF)の2026年予測である4.7%程度にとどまる場合にはレンジの下限、インフレ率がそれを上回る場合には上限に近づく可能性が高いとしている。

 アジア太平洋では都市ごとの差が大きい(表参照)。東京は3.3~4.9%の上昇を予測。ソウルやインド主要都市では比較的大きな上昇を見込む一方、香港やシンガポールは小幅な上昇にとどまり、広州では予測レンジの下限で値下がりも見込む。中国の主要ビジネス都市についてAmex GBTは、供給が需要を上回る状態が続いていることを、料金上昇を抑える要因として挙げた。

2027年のホテル料金予測(アジア太平洋主要都市)
都市 前年比予測
東京 +3.3~+4.9%
ソウル +4.3~+6.4%
シドニー +3.5~+5.0%
上海 +3.0~+4.5%
北京 +1.9~+3.0%
バンコク +1.7~+3.0%
シンガポール +0.8~+1.6%
香港 +0.2~+1.1%
広州 -0.3~+0.8%
デリー +4.5~+5.0%
ベンガルール +5.0~+5.5%

※Amex GBT「Hotel Monitor 2027」。予測は現地通貨ベース。

 一方、インドでは引き続き比較的大きな上昇を見込む。ホテル開発が進み供給は改善しているものの、経済成長と需要を背景に料金上昇は続くとの見方だ。グローバルホテルチェーンの進出によって宿泊施設の質も向上しているという。

 欧州ではマドリードの6.1~9.2%、ロンドンの3.6~5.4%、パリの3.1~4.8%など、幅広い都市で上昇を予想する。企業・レジャー双方の需要に加え、宿泊税や付加価値税なども料金を押し上げる要素となる。南米ではサンパウロが10.9~12.2%と、レポート掲載都市の中でも特に高い上昇率を見込む。

 これに対し、中東では異なる動きが予想されている。Amex GBTによると、中東紛争の影響でUAEへの旅行需要が弱まり、ドバイではホテル事業者が需要回復に向け競争力のある料金を提示する可能性がある。このため2027年のホテル料金上昇率を1.0~2.0%にとどまると予測している。

2027年のホテル料金予測(世界の注目都市)
地域 都市 前年比予測
アジア太平洋 東京 +3.3~+4.9%
欧州 マドリード +6.1~+9.2%
欧州 ロンドン +3.6~+5.4%
欧州 パリ +3.1~+4.8%
中東 ドバイ +1.0~+2.0%
中南米 サンパウロ +10.9~+12.2%

※Amex GBT「Hotel Monitor 2027」。予測は現地通貨ベース。

 ホテル料金とともに旅行会社にとって注意が必要なのが航空運賃だ。同レポートによると、2026年半ばの平均航空券価格は前年同期比15%上昇し、アジア発着・域内路線ではその約2倍の上昇となるケースもあった。航空運賃の上昇によって旅行全体の予算が圧迫されれば、特にアジア太平洋への需要を抑える可能性があるとしている。

 ただ、ビジネス旅行では宿泊費を抑えるためホテルのグレードを下げる動きは目立っていない。Amex GBTは、旅行者体験を重視する流れを背景に、ビジネス旅行者が引き続き上位カテゴリーのホテルを選択していると指摘する。料金そのものだけでなく、朝食やWi-Fi、フィットネス施設など、宿泊料金に何が含まれているかという「価値」を調達時に評価する重要性も高まっている。

 ホテル調達の手法も変化しつつある。供給側ではホテルがエージェント型AIをレベニューマネジメントや料金設定に活用する一方、買い手側でもAIを利用したソーシングツールが広がっている。Amex GBTは、従来の年1回のRFPを中心とするホテル調達から、料金や利用実績、契約遵守状況などを継続的に確認するプロセスへの移行を見込む。

 Amex GBTの予測は、同社が保有するデータとIMFのGDP・インフレ予測を組み合わせ、Prophetによる時系列モデルで算出したもの。予測値は将来の料金を保証するものではないとしている。