【Founder’s Eye】「新人なので」これ免罪符になるの?新人を現場に出す、そのコストを誰が負担するのか

  • 2026年9月28日

新たにタクシー乗務員になる方が増えているらしい。
それ自体はもちろん、悪いことでは無い。

新人ドライバーの車体には「新人」ステッカーが貼ってあり、口頭でも「新人なので、すみません」と言われることが少なく無い。

基本的にはナビ通りに走るので、大きな問題はないはずだけど、ナビ通りに走れなかったり、間違いを指摘すると急な車線変更等でヒヤッとする運転をするドライバーが散見される。

もちろん顧客側にも「新人」に対する一定の寛容さは必要だと思うが、タクシー会社は最低でも、ナビの実践的な使い方、一定の土地勘、そしていかなる場合でも危険運転を回避するよう徹底的に教育してから乗務させるべきではないかと思う。

タクシーはベテランドライバーでも新人ドライバーでも料金は同じ。一定のクオリティを担保する義務が会社にはあるだろう。
これは新人運転手さんの問題では無い。

遠くない将来、自動運転になり、乗務員に求められる役割も変わるのだろうから、目くじら立てることも無いのかも知れないが…

一方、あるネイルサロンでは新人ネイリストの施術料金を通常の半額にしているところがある。

サイトでのネイリスト紹介・指名時に「新人」であることと、割り引いた料金が掲示されている。当然、店舗側の収入も減るだろうが、ある意味、お客様に実地研修の場を提供してもらう、育成してもらうコストと見ているのであろう。

ネイルに詳しいわけでは無いが、お客側もネイリストの技術の差が出にくいシンプルなデザインを望む場合はより安価な新人を選ぶことが出来る。
新人の時からのお付き合いから、贔屓、固定客となることもあるだろうから、双方にとって良い取組だと思う。

観光産業はお客様と直接対面でサービスをする機会が多い。

我々は十分な教育を施してから、新人を現場に立たせているだろうか。

それが出来ていないと、お客様の離反だけでは無く、新人の離職にも繋がっている気がする。

最低限の教育をしてから現場に出し、いざとなればすぐにベテランがサポートに入れる体制を作るには時間も含めてコストがかかるだろう。

しかし、それもサービスレベルの維持や社員の定着に必要なコストと捉え、価格に反映させてでも実行すべきで、それが出来ないところは中長期的には苦しくなっていくのではないだろうか。

「お客様に育てていただく」という言葉をよく聞く。
でも、それは出来る限りの教育をした上での話だと思う。

お客様は研修担当者ではない。

「新人なので」が許されるのは、新人本人ではなく、会社がその責任を引き受けている時だけなのではないだろうか。

今月の一軒

■神楽坂ワインバー六花(東京)

予てからお邪魔していた神楽坂のイタリアンレストランから独立し、9月に開店したばかりの食事もできるワインバー。

神楽坂のメインストリートから1本入った、閑静な住宅地にある、落ちつける店。

新規開店したばかりで、オペレーションにはまだ工夫の余地もある。
それも含めて、これからどう変わっていくのか楽しみな店。

それこそ「育てる」(偉そうだけど…)価値のある一軒だと思う。

テラス席では愛犬と過ごすことが出来る。

岡田直樹
エフネス(トラベルビジョン)Founder。旅行業界向けメディアの運営を軸に、観光領域の事業開発に取組む。