JTB、3年連続売上高1兆円超 純利益4割増に 高付加価値旅行グローバル、MICEが牽引

2026年度は長期ビジョン初年度の「重要な節目」-営利165億円に向け投資継続

 JTBでは今年の1月、長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」を発表。2035年度の目標として取扱額2兆5000億円、売上総利益5000億円、営業利益(のれん償却前)750億円、売上総営業利益率15.0%などを掲げている。

 「長期ビジョンの初年度であり、重要な節目の年」(山北氏)と位置づける2026年度通期では、売上高1兆2450億円、営業利益165億円(のれん償却後)を見込む。26年度は企業イベント需要やグローバル旅行需要への対応を進めるほか、第20回アジア競技大会、2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)といった大型イベントやスポーツ大会に取り組む。

 JTBでは先日、6月30日付で常務執行役員で長期ビジョン戦略推進を担う青海友氏が代表取締役社長執行役員に就任する人事を発表。山北氏は代表取締役会長に就任する。これを受けて山北氏は「6年間の激動の時間を過ごしてきたが、財務的課題については一巡した。コロナで大きな欠損を出した中から純資産を積み上げ、今回の決算でコロナ前を超えることができた。財務基盤はできたと思う」と振り返った。

 そのうえで山北氏は「今後は投資を継続しながら、中長期的な視点で回収していくモデルへの転換が大きな柱。投資に係る知見を深め、投資効率を高めることが大きなテーマ」と語った。今年度はバックヤードや顧客利便性の向上に向けたAIの活用、人材投資、データドリブン経営に向けた投資など、中長期的成長に向けた投資を継続する方針。

 人材投資については「AIに投資を続ける一方、AIと共存しながら人間の価値を改めて再定義し、付加価値を高めていくことが今後の課題」と話した。このほか、海外着地ツアーを手掛ける「グローバルDMC事業」を柱に、着地型ツアーの価値を高めるための投資にも取り組む。

 加えて先日買収したImprint Events Groupで北米のMICEのM&Eを強化するほか、4月には企業イベント事業のデータ分析向上をめざし、データ分析事業者のナイトレイを子会社化したことも説明。MICE事業における収益性や提案力の向上、受注拡大をめざす。
 
 昨今の中東情勢の長期化の影響については、山北氏が中東経由便の減便やキャンセルにより日本発欧州旅行や東南アジア発欧州旅行に影響が出ていることを説明。ただし、日本発海外旅行として見ると、アジアやオーストラリア方面などに振り分けられていること、目的型・高付加価値旅行の需要が強いことなどから「全体を俯瞰すると、影響を受けない層が多いのでは」とした。

 また、燃油サーチャージの高騰については「計画を取りやめた人は比較的少ない」と説明。旅行費用の価格上昇による影響は一定程度あるものの、高価格帯商品や目的型旅行などの「価格に左右されない客層が大きいため、直接的に海外旅行需要が減少したわけではない」との見方を示した。