トップインタビュー:プリファード ホテルズ&リゾーツCEO リンジー・ユベロス氏

  • 2026年5月12日

富裕層旅行は個人化が加速
日本の地方で加盟拡大へ、旅館にも関心

 世界の富裕層旅行市場では、時間価値の重視、パーソナライズ化、独自性の高いホテルの滞在やウェルネス志向の高まりなどを背景に、旅行者がより「意味のある体験」を求めるようになっている。こうした中、独立系ラグジュアリーホテルを束ねるプリファード・ホテルズ&リゾーツは、日本市場を重要な成長領域と位置付ける。今回来日したCEOのリンジー・ユベロス氏に、ラグジュアリートラベルの動向や日本での展開戦略などについて聞いた。


-世界の富裕層旅行市場ではどのような変化が見られますか。

リンジー・ユベロス氏(以下敬称略) ラグジュアリーな旅行者にとって、「時間」こそが最も価値のあるものとなっています。このため、時間を使うに値する、ひとりひとりの嗜好に合わせた、より深いパーソナライズされた体験が求められています。

 旅の目的も、モノ消費ではなく「意義ある体験」へとシフトしました。そして旅先とのつながりや、ガイドブックには載っていないようなローカルな体験、地域文化のストーリーテリングなどを重視する方が増えています。

 日本については、心身の健康やウェルビーイングといったウェルネス志向が高まりから、「禅」などの日本の精神文化への関心も高く、人気のデスティネーションとなっています。

−プリファードホテルズ&リゾーツを選ぶ顧客はどういう方々なのでしょうか

ユベロス 私たちは主に、アッパーアップスケールからラグジュアリー層を対象としています。80か国で625軒以上のホテルが加盟しており、「レジェンド」「L.V.X」「ライフスタイル」「レジデンス」の4つのコレクションを有しています。コレクションごとにサービス基準を設けており、例えばあるコレクションでは24時間対応のルームサービスを備えている一方で、別のコレクションでは提供時間を短く設定しています。また、コンシェルジュデスクの有無などで、コレクションを区別しています。

 私たちのブランドのキーワードは「グローバル」「革新的」「質の高いサービス」「独立性」「本物志向(オーセンティシティ)」「ハイスタンダード」です。多くのホテルが地域文化やデザイン、食にその土地らしさを反映したユニークなサービスを提供しています。

 また、加盟ホテル、特に小規模なホテルではお客様ごとのパーソナライゼーションが重要視されています。お客様がホテルに到着する前に食事のアレルギーや枕の好みを聞き取るなど、パーソナルデータを活用したサービスを提供しています。