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ドイツ観光局、2020年は「ベートーヴェン生誕250周年」で訴求強化[PR]

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地方送客で旅行会社と協力体制を堅持

—ヨーロッパでオーバーツーリズムという問題も散見されます。ドイツの状況はいかがでしょうか。
西山氏

西山 ドイツでは、観光を成長戦略のひとつとして掲げ、2030年に1億2100万泊という目標を立てているが、ドイツには、パリ、ローマ、アムステルダム、バルセロナのような観光客が集中する都市がなく、基幹都市が全国に点在している。鉄道、アウトバーンが整っているため、昔から都市観光というよりも周遊型観光が主流。ゲートウェイから入って、街道めぐりやライン川クルーズなど観光客を回遊させるのがドイツの特性だと思う。

 州別でも、最も観光客のシェアが大きいバイエルンでも全体の30%。そのほか、ヘッセンで13%、ベルリンは10%ほどで、バイエルンを除けば上位5州は似たり寄ったりだ。国の政策として、観光政策も含め、旧東ドイツ地域の経済活性化に注力している。たとえば、ドレスデンを州都とするザクセン州は日本への投資も拡大しているところだ。

 ロマンチック街道のローテンブルグへの日本人旅行者数は2016年に全盛期の4分の1にまで落ち込んだが、2017年と2018年には二桁増。FITも募集型でもローテンブルグに宿泊するケースが増えている。それでもまだ収容するキャパシティはある。ただ、ピンポイントで観光客が集中するノイシュバンシュタイン城などでは対策は必要だろう。

—2019年に続き、2020年も「ベートーヴェン生誕250周年」を中心に「音楽」をテーマにしたプロモーションを展開します。

西山 2019年は全体の訴求テーマとして「バウハウス誕生100周年」を掲げたが、日本では馴染みが薄いため、1年前倒しで「音楽の国ドイツ」のプロモーションを強化した。2018年に世界の31支局ごとにリサーチをした結果、日本は都市と文化にフォーカスすることになった。そのテーマのなかにはクリスマスもあれば、食、世界遺産、そして音楽も入っている。

 「ベートーヴェン生誕250周年」は2020年を通じたプロモーションになる。さる12月16日にはボンでキックオフイベントが行われた。1月29日には、日本、中国、アメリカで大規模なB2Bイベントを開催する。

 また、B2Cではデジタルキャンペーンを展開するほか、プレスをドイツに送り込んでメディアでの露出を増やしていきたい。オーストリアもベートーヴェンを取り上げるが、相乗効果でマーケットへの訴求につながればと思っている。

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