ワインに開眼して転機に-ツアコン2019大賞のジャッツ菅谷氏

菅谷氏  昨年に日本添乗サービス協会(TCSA)が主催した第14回の「ツアーコンダクター・オブ・ザ・イヤー」では、ジャッツの菅谷眞弓氏がグランプリにあたる「国土交通大臣賞」を受賞した。入社から23年目のベテラン添乗員で、「ツアー参加者および派遣先旅行会社の両方から高評価を獲得している、所属添乗員の模範となる逸材」と評価される菅谷氏は、どのような人物なのか。また、菅谷氏が特に入れ込んでいるというフランスとワインは、添乗業務にどのような影響を与えているのか。受賞を機に詳しい話を聞いた。

-まずは受賞の感想をお聞かせください

菅谷眞弓氏(以下敬称略) 受賞を知った時はただただびっくりしました。推薦していただいただけでも恐縮していましたが、これまでコツコツやってきたことが認められたようで嬉しかったです。

-添乗員になる前の経歴を教えていただけますか

菅谷 大学卒業後は映画の配給会社に勤めていましたが、字幕翻訳の仕事がしたいと思い、1994年から1年間、フランスへ留学しました。帰国後はフランス語を活かせる仕事を探し、添乗員ならその願いも叶うと思い、96年に新聞の求人広告で見たジャッツに入社しました。

 人生初の海外は、学生時代の米国でのホームステイだったのですが、その時にお世話になった旅行会社が日本旅行で、お世話になった添乗員さんがとても良い方でした。それ以来、心のどこかに添乗員への憧れがあったと思います、ジャッツが日本旅行の子会社だったことも、何かの縁と感じました。

-入社した頃、添乗員という仕事に手応えは感じましたか

菅谷 国内旅行の添乗から始めましたが、初めは業務を覚えることで精いっぱいでした。自分がこの仕事に向いているかどうか、フランスに行けるかどうかということより、まずは慣れることが先決で、とにかく必死でした。海外旅行の添乗は2年目から始めましたが、その後はなかなかフランスには行けずにいました。でも、他のヨーロッパ諸国を訪れることでフランスを外から見ることができ、それはそれで勉強になったと思います。

-現在の主な添乗エリアや業務内容について教えてください

菅谷 日本旅行の添乗員付きツアーはヨーロッパ方面のツアーが多いので、自然とヨーロッパが多くなります。ただし、自分の特性を活かしたツアーに添乗するだけでなく、スケジュールに空きがあれば国内旅行の添乗や、海外での国際会議のサポート業務などにも積極的に取り組んでいるので、年間で180日ぐらいは添乗に出ています。飛行機に乗るのも海外に行くのも大好きなので、ずっとこのペースで仕事をしてきました。

 添乗するツアーの8割はパッケージツアーですが、同じヨーロッパ旅行でもシニア向けのツアーから学生さんの卒業旅行まで色々とあるので、年齢層は幅広いですね。また、観光地を巡るツアーだけでなく、山登りのツアーもあればクルーズ旅行もあって、内容はバラエティに富んでいます。