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専門性で生き残る:ロシア・旧ソ連諸国専門のロシア旅行社

創業から半世紀以上に渡り「逞しい隣国」に総客
テーマ性の高い旅をマニアックな旅行者に

-現在の主な事業や客層について教えてください
添田氏 添田 事業の柱は添乗員同行のパッケージツアー、個人から小グループまでの手配旅行、他社への卸売で、割合はパッケージツアーが5割、手配旅行が3割、卸売が1割、訪日旅行が1割ほどです。添乗員付きツアーは6名から催行可能で、ロシアのほかに旧ソ連諸国の中央アジア、バルト3国、コーカサス3国などをカバーしています。

 手配旅行は、航空券やホテルだけのパーツ販売はほとんど取り扱わず、観光などを組み合わせた「安心セット」を用意しています。添乗員は同行しませんが、随所で日本語ガイドが同行するので、お客様には安心してご利用いただいています。客層はいずれも女性が多く、添乗員同行ツアーは70代、手配旅行は40代が多いです。

-売れ筋のコースを教えてください

添田 売れ筋は、添乗員付きツアーでは「ロシアの歴史と芸術9日間」です。モスクワとサンクトペテルブルクを訪れて、美術館や宮殿などに加えて本場のバレエを鑑賞するスケジュールに加えて、終日フリーの日も設けています。手配旅行で人気があるのは「安心セット」の、同じくモスクワとサンクトペテルブルクを訪れる「おとぎの国ロシア6日間」で、街並みが美しいサンクトペテルブルクは女性に人気が高いです。

 ロシアは季節によって気候が大きく変わるので、商品造成においては意識しています。例えば、白夜の夏は木造の教会建築が美しいカレリア地方のキジ島を、冬はコサック民族の歴史や文化に触れる南ロシアのヴォルゴグラードを商品化したり、春や秋にはコーカサスの山々を尋ねる旅を提案したりします。

 当社では“売れるコース”を100コース造ることを目標としています。1コースに1名でも参加者がいれば、100名を取り扱うことができます。

-顧客との信頼関係はどのように築いていますか

添田 対面販売に力を入れています。添乗員付きツアーについては、セミナー形式の旅行説明会を開催し、講師によるレクチャーやロシア料理を楽しんでいただきつつ、最新の情報を提供しています。手配旅行についてもお客様にはできるだけ来社を促し、当社のノウハウを活かしてすでに半分出来上がっている旅程に、お客様の希望を盛り込んで完成させる手方を取っています。

 多くの方にとって、ロシアは気軽に何度も行けるデスティネーションではないので、お客様が1回の旅行ですべての願いを叶えられるよう、これまで培った商品力と提案力をフル活用しています。お客様の思い通りのツアーに仕上げられることが、信頼や満足度の高さにつながっていると思います。

-リピーターが多いと予想しますが、新たな利用者はどのようにして獲得していますか

添田 リピーターからの口コミで新規のお客様につながるケースに加えて、当社のリピーターではない「海外旅行のリピーター」がいらっしゃるケースが多いです。大手旅行会社のツアーで細かな融通が利かないことに満足されず、最終的に当社のような専門型の旅行会社を見つけるというケースが沢山あります。