ANAグが新中計、22年度営利2200億円へ-中距離LCCに意欲

  • 2018年2月1日


記者会見の様子  ANAグループは2月1日、2018年度から22年度までの5ヶ年に渡る新たな中期経営戦略を発表した。東京五輪の開催や首都圏空港の発着枠拡大が予定されている20年と、その後の持続的な成長に向け、現在の市況などを勘案して策定したもので、現行の16年度から20年度までの現中計を仕切り直す。主力の航空事業の強化に加えて「既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造」「オープンイノベーションとICT技術の活用」の3つがテーマ。

   20年度の目標として売上高2兆3100億円・営業利益2000億円、22年度の目標として売上高2兆4500億円・営業利益2200億円を掲げる。17年度は売上高1兆9250億円・営業利益1600億円となる見込み。同日に開催した発表会見でANAホールディングス上席執行役員グループ経営戦略室長の芝田浩二氏は「世界のリーディングエアラインとして成長を続けたい」と意欲を示した。

 新たな中期経営戦略においては「ANA(国際線)」「ANA(国内線)」「LCC」「ノンエア」「貨物」の5つの中核事業でそれぞれ成長をめざす。このうち「ANA国際線」は成長の柱として注力し、成田と羽田の「デュアルハブモデル」の完成などにより、22年度の売上高は17年度比50%増をめざす考え。「ANA国内線」は機材小型化による需給適合などにより17年度並みを維持。LCCは中距離路線への進出などにより17年度比100%増を、ノンエアは経営資源の再配分や新規事業により20%増を、貨物は大型専用機の導入などにより40%増をめざす。

 全日空(NH)の国際線については、20年の首都圏発着枠拡大を機にネットワークを拡大し、CIS諸国・中東・アフリカ・南米などの未就航エリアへの路線開設や、海外の航空会社との提携を進める。また、19年春に成田または羽田とホノルルを結ぶ路線に投入するA380型機をはじめ、B787-10型機、B777-9X型機などの最新機材を導入して、プロダクトやサービスの強化をはかる。あわせて人材の確保や育成、オペレーションの強化にも努める。

 国内線については、機材の小型化による需給適合やイールドマネジメントに取り組み、グループの収益基盤を維持。全席にシートモニターを装着したA321neo型機の導入を進めるとともに、主力機B777型機とB787型機にも順次シートモニターを装着し、あわせて18年4月からは機内WiFiサービスを無料化することで、プロダクトやサービスの向上をはかる。また、際内乗継の利便性を高め、訪日外国人旅行者を取り込む。

 LCCについては、バニラエア(JW)とピーチ・アビエーション(MM)のそれぞれの独自性を維持したまま路線を拡大し、連携を強化。マーケティング・インフラ・人材交流などさまざまな面で協力する。また、20年を目標に片道7時間半から9時間程度の中距離路線へ進出する考えで、A330型機など航続距離の長い小型機で東南アジアや南アジアなどの未就航地にネットワークを拡大する。22年度にはLCCだけで営業利益200億円をめざす。

 機材数については、17年度のFSC247機・LCC35機を、22年度にはMRJを含めてFSC約280機・LCC約55機に引き上げ、合計では40機以上増やす考え。また、省燃費機材のシェアを、16年度末は約60%だったところを、22年度末には約80%にまで伸ばす。

 そのほか「既存事業の選択・集中と新たな事業ドメインの創造」については、成長領域への投資を推進。16年度に設立した新会社「ANA X」が中心となって、「ANAマイレージクラブ」の会員データを分析などに数十億円規模を投資し、新規事業を生み出す。一方、14年にタイで設立した操縦士訓練会社については売却を検討する。

 そのほか「オープンイノベーションとICT技術の活用」では、さまざまな新規事業の創出と既存事業の改善に取り組み「Society5.0(超スマート社会)」の実現に貢献するとしている。