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アクセスランキング、1位はサイパンエアー、JATA菊間新会長も

[総評] 今週は、サイパンエアーがプログラムチャーターの就航を無期限で延期した記事が1位になりました。サイパンエアーは、米国アリゾナ州のチャーター専門航空会社「スウィフトエアー」から機材を借りて運航する計画でしたが、スウィフトエアー側の契約不履行により頓挫したとのことです。

 現地の報道などを見ていますと、スウィフトエアーがチャプター11を申請したという話も出ており、サイパンエアーに同情してしまう部分もありますが、成田線は7月1日からの運航予定で、お客様と旅行会社に与えた影響は甚大です。

 記事でも触れましたが、ハイシーズンのリゾート路線で1日2便分のお客様を振り替えるのは非常に困難で、旅行会社の皆様も苦労されているようです。そして、それにもまして出発数日前にこのような連絡を受けることになったお客様のお気持ちを考えると、非常に心苦しく思います。

 さらに、新しい航空会社、あるいはチャーターという運航形態への印象を損なってしまったことも痛手です。先週も当欄でチャーターのリスクと可能性について触れましたが、こうしたことがある度に旅行会社はチャーターに対する積極性を失っていくでしょう。

 現地報道によると、サイパンエアーは今後、新しい提携先を探して出直したい考えを示しているとのことですが、一度失った信頼を取り戻すには、最初に信頼を得た時よりも多大な労力が必要となるはずです。言ってみればイバラの道ではないかと思いますが、サイパンや北マリアナ諸島にとっては期待の大きい事業であるだけに、是非とも着実に、時間をかけて取り組んで欲しいと願っています。

 今週はこのほか、日本旅行業協会(JATA)新会長の菊間潤吾氏による就任会見の記事が5位に入りましたが、「JATAは一般会員にとっては遠い存在なのでは」と感じられ、今後は「JATA会員の声があがってくるような仕組みづくりをおこなっていきたい」とのお考えであるとの部分が印象に残ります。

 大手だけでなく中小規模の旅行会社も一丸となって取り組まなければならない課題は数多くあります。例えば今年4月に発表されたマレーシアへの送客数を100万人に引き上げようとするプロジェクトも、大手のみが取り組んで達成できるようなものではないでしょう。

 逆に中小旅行会社も、旅行業界の一部としての自覚を持ち、積極的に声を上げていく必要があるように思います。マレーシアの例でいえば、旅行業界全体で達成に向けて動き、数字を積み上げれば、日本市場のバイイングパワーの評価につながることになります。

 また、旅行会社のスキルアップをJATAがサポートするというご方針も示されています。かねてから言われていることですが「旅行のプロとしての旅行会社」の実現は、避けることのできない喫緊の課題であり、これにきちんと対応できなければ、今後数年間でJATAの会員社数も大幅に減っていく可能性もあるでしょう。

 すでにあるデスティネーション・スペシャリストなどの制度を拡充、改善していくのか、あるいはまったく別の取り組みを始められるのかわかりませんが、仕組みが構築され効果が出はじめたら、と想像するだけで明るい希望が感じられます。

 JATAという巨艦の舵を取るのは容易なことではないのだろうと思われますが、副会長に就任された田川博己氏、吉川勝久氏とともに、力強いリーダーシップを発揮されることを強く願っております。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2012年6月第5週:6月24日0時~6月29日18時)
第1位
サイパンエアー、就航を無期限延期、機材調達できず(12/06/26)

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