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現地レポート:ベトナム、開発進む中部、世界遺産とビーチリゾートを魅力に

  • 2011年9月28日

ビーチリゾートと世界遺産、昔ながらのベトナム情緒が魅力
開発進む中部でリピーターや新客層向けの提案を

2012年、国際観光年のフエ
プロモーションに期待

フエにあるグエン朝王宮の午門。王宮の南側にあり、観光客が出入りするのはこの門となる  ベトナム最後の王朝、グエン朝の都があった古都フエでは、街を流れるフォーン川に沿う、王宮、ティエンムー寺院、マーケットなどを取材。1993年にベトナム初の世界遺産に登録されたフエは、世界各国から多くの観光客が訪れる街。歴史的建造物からフエ料理まで観光素材も多彩で、ベトナム中部観光の中心的存在だ。特にフエ料理は、ベトナムで唯一、地名がついている料理。宮廷料理からB級グルメまで、フエ独自の食文化があり、観光素材のひとつとなっている。2012年のフエ国際観光年には様々なプロモーションが予定されている。

ピルグリミッジ・ビレッジ・ブティック・リゾート&スパ。トリートメントルームは一戸独立型だ  宿泊施設も多彩で、今回取材したピルグリミッジ・ビレッジ・ブティック・リゾート&スパは個性の光るリゾートのひとつ。フエの中心から車で約15分にあり、うっそうと緑が茂る敷地に木の香りがするリゾートだ。特に、伝統的な造りの建物でフエ料理を楽しめるジュンレイ・レストラン、昔ながらのヘアケアから最新のトリートメントまで揃うベダナ・スパは、滞在客以外にも人気が高い。多くの観光客を受け入れているフエの宿泊施設のクオリティは、確実に向上しているのだ。


フエの宮廷料理は盛りつけがユニーク。パイナップルでできたニワトリの背中に揚げ春巻きが刺さっているベトナム中部をメインとした
バリエーション豊かなツアー作り

民族衣装を着た女性達の歌を聴きながら宮廷料理を食べることができるレストランもある  国際観光年のプロモーションがはじまれば、フエとともにベトナム中部に注目が集まることは間違いない。これを追い風に、南のホーチミン、または北のハノイと組み合わせ、ホイアンにも足をのばす町歩きツアー、前述のリゾートと世界遺産を組み合わせたツアー、ビーチリゾートに滞在して日帰りでホイアン、フエなど周辺観光をするツアーなど、バリエーション豊かなツアーを作ることができる。また、客層の面でも従来の歴史・文化的な観光を中心とするシニア層以外に、女性やカップル、ハネムーンなどへの広がりが期待できる。

 多彩な観光素材、アクセスの利便性、観光年という話題性と吸引力は充分ある。北部のハノイと南部のホーチミンが成熟した現在、ベトナム中部は今後ますます注目されるデスティネーションだ。

 

 

取材協力:ベトナム航空、ヴェダナ・ラグーン・リゾート&スパ、
ピルグリミッジ・ビレッジ・ブティック・リゾート・スパ
取材:たかせ藍沙