若手のチャンス拡大に期待できるホテル業界へ-ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄総支配人 村尾茂樹氏

  • 2022年12月1日

ファミリー客を中心に戻り始めたリゾート需要
ユニークなプログラムでオフシーズンの取り込みを図る

 沖縄・恩納村に2018年に開業したハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄。その後、新型コロナウィルスのパンデミックという想定外の状況に見舞われることになった。コロナ禍中の2020年に総支配人として着任し2年半を乗り切ってきた村尾茂樹氏に、明るい兆しが見えてきたホテルビジネスの今後の展望などを伺った(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

村尾氏

-最初に自己紹介をお願いいたします。

村尾茂樹氏(以下敬称略) 兵庫県の生まれで、1993年にホテル業界のキャリアをスタートしました。最初は大阪東洋ホテル(当時)のベルボーイから始め、フロントや営業企画、人事などを経てレベニューマネージャー、営業部長を務めました。途中で大阪東洋ホテルがラマダホテル大阪にリブランドしていた縁もあって、同じラマダブランドのラマダホテル札幌(現ANAホリデイ・イン札幌)から誘われ35歳にして総支配人の大役を仰せつかりました。その後は2009年に沖縄のサンマリーナホテル(現シェラトン沖縄サンマリーナリゾート)支配人、2014年にハイアットリージェンシー大阪の営業担当副総支配人を務めた後、イシン・ホテルズ・グループに2年間在籍しました。ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランドの総支配人に就任したのは2020年4月です。

-ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄の一番の特徴は何ですか。

村尾 ホテルは2018年にオープンしたのですが、それまで恩納村にはインターナショナル仕様のホテルはなく、このホテルが初めてのインターナショナルリゾートでした。最大の特徴は何といっても島全体を1つのホテルが占有していることです。テーマとする「元気になるホテル」を目指して、宿泊客の皆さんが心身共に元気になれる滞在を提供できるよう努めています。

-中心となる客層について教えてください。
オーシャンコーナースイート

村尾 国内客は10歳以下の小さなお子様連れの家族旅行が主体です。なかでも上質感を求められるお客様が多いと感じています。夏休みや年末年始を中心に3世代家族の利用も多く、スイートのコネクティングルームを使って滞在するケースも目立ちます。平均宿泊日数は約2.7泊ですが、なかにはワーケーションで1ヶ月滞在するようなお客様もいらっしゃいます。

-これからインバウンドも復活してくると考えられますが、1年後の今頃は国内客と訪日客の割合を、どれくらいのバランスにしていきたいですか。

村尾 日本人が7割、訪日客が3割です。これはコロナ禍前と変わらないバランスで、沖縄を訪れる観光客全体の割合と同じです。空港のキャパシティは大きく変わりませんし、海外路線が急に増えることもないと思います。したがって訪日客の割合にも大きな変化はないでしょう。日本人客と訪日客が半々といった状況は今のところ考えられません。

 また訪日客の中身もこれまで同様に台湾、中国、韓国、香港からの個人旅行客が中心で変わらないと見ています。ヨーロッパから那覇空港に直行便がやって来るとは思えません。

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