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スクート比留間氏、日本の海旅「まだまだ伸びる」-LCCも成熟へ

  • 2019年7月21日

まずは認知度向上を最優先、足場固めへ
関空/ホノルル線の再開にも意欲

-日本路線の概況について教えてください

比留間氏 比留間 平均搭乗率は80%から90%の間で推移していて、総じて訪日客の比率が大きい。現地発が6割から7割、日本発が3割から4割といったところで、週4便で運航している新千歳/台北(桃園)/シンガポール線については、TRに限ったことではないが、特に訪日客が多い。今後はどのように日本発の需要を開拓していくかが課題になる。

 成田については、桃園経由のシンガポール線を週12便、バンコク(ドンムアン)経由のシンガポール線を週7便運航し、XWもドンムアン線を週7便運航している。需要が大きい東京/バンコク間については供給過多になりつつあるが、無闇に値段を落としたくはなくいので、踏ん張る時期に来ていると思う。

 関空については、TRがドンムアン経由のシンガポール線を週3便、高雄経由のシンガポール線を週7便、シンガポールへの直行便を週4便運航し、加えてXWがドンムアン線を週6便運航している。関空はLCCに対して受容力がある分、競合他社も多いので危機感を持っている。

 XWについては昨年6月に成田線、10月に関空線と立て続けに就航したが、TRとも競合する路線なので、若干伸び悩んではいる。しかし、しっかりと販売に取り組めば、結果はついてくると考えている。TRとXWの2つの「スクート」があることで露出の機会が増え、スクート全体の認知度向上につながることを期待している。

-現在の日本での販売チャネルの内訳を教えてください

比留間 リアルエージェント経由が35%、OTAやメタサーチ経由が25%、自社サイトおよびアプリでの直販が40%で、ここ最近では大きく変わってはいない。リアルエージェントやOTAでの販売も重視していて、リアルエージェントに向けてはGDS専用のプロモーションやプライベートフェアの設定など、OTAに向けてはAPI専用のプロモーションを実施している。

 BtoBでの販売比率は、他のLCCに比べて高いと思う。これから日本人の利用者を増やすことができれば、リアルエージェント経由での販売が増加し、比率は変わってくるのではないか。

 BtoCについては、利用者はやはりウェブリテラシーの高い人や海外旅行に慣れた人が多く、そのような方々を入口にして、家族や友だちへ広がっていると見ている。BtoBではリアルエージェントやOTAが抱える20代から30代の顧客が多いが、メディア商品などで利用される路線では、シニアの利用者も増えている。販売する側としては、色々なお客様に利用してもらいたい。