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国際観光都市東京の現在と将来を語る 東京都連・全旅連全国大会記念座談会(4) ナンバー1の組合めざす

 ―最後に都連の組織や活動状況について伺います。

 工藤 組合員は814軒(4月26日現在)です。この数年、会員数は増加傾向です。各組合員は単独の市区や複数の市区町村単位で構成する32の支部のいずれか、もしくは個人会員として所属し、支部は5つのブロックに分かれています。各支部単位から選任された52人の理事で、ほぼ毎月、理事・支部長合同会議を開き、毎回30人程度が出席しています。さらに理事メンバーを中心に9つの部会(総務、財務、組織、政策、厚生、事業、共済、経営、広報)があり、なかには広報部会のように毎月開かれる部会もあります。9人の副理事長は各部長を兼ねています。今期から副理事長の中から理事長代行と2名の理事長代理を置きました。そのほかにレジャー系ホテル情報交換会、青年部があり、ほぼ毎月定例会および勉強会を開くなど、都連としての活動は活発です。理事会後には必ず懇親会があり、全旅連全国大会には毎回バス1台40人ほどで参加し、その後1泊2日のエキスカーションで懇親を深めます。秋には管外理事会と称して、観光地や宿泊施設の視察を兼ね、東京を離れて理事会を開催しています。1月もしくは2月には、小池百合子都知事や国会議員、指定商社を招いて200人規模で盛大に新年会も開いています。

 齊藤 毎月の理事会後の定例研修会だけでなく、青年部や部会など、いろいろな機会を含めると、全体では月に5回から10回程度、様々なテーマで研修会を開いているのは大きな特徴です。組合員に、できるだけ多様で有益な情報を提供することには力を入れているつもりです。

  情報交換の機会は間違いなく多いですね。

 工藤 毎月、同じメンバーで、よく飽きないと思うほど懇親の場は多いですね。懇親会の後に、さらに同じメンバーで二次会にも行っている人もいますよ。

 森永 人が好きなメンバーが多いんじゃないかしら。

 工藤 毎月のように会合を持てるのは、集まりやすいという東京の事情もありますね。電車で簡単に集まれる。北海道でも長野県でもそうはいかないですから。

 森永 事務局がしっかりしているのも大きいと思います。スケジュール管理や、これだけの数の会合の案内や招集、都庁をはじめとする対外的な折衝やアポイントメントなど、交通整理を的確に行ってもらっていることに、とても感謝しています。

  組合員への情報提供で言えば、数十年来、機関紙として毎月、「東京ホテル旅館ニュース」を発行しています。「財政的に厳しいと真っ先に削られる分野なのに、よく続けてきましたね」と褒められることもありますが、機関紙の発行を止めることを、組織として議論した記憶はありません。組合員にいろんな方法で情報を提供したいという思いがあるし、使命感も持っています。

 ―都連の指定商社も増えていますね。

  私は都連と指定商社のパイプ役の事業部長を前期まで14年やりました。業種別に2社程度を目安に勧誘を進め、40数社から、最近はインバウンド需要でホテルが注目されていることもあり、今は60社を超える指定商社に組織運営を支えていただいています。指定商社にビジネスの機会を作ってもらおうと開催している展示会も昨年で50回目を数えました。

 齊藤 私は、不満もあるんですよ。この組織はシルバー・デモクラシーが効かないんですよ。我々、年寄りより、若い人や、若い人の意見が大事にされている。まあ、それでいいんですけど。

 工藤 齊藤理事長はじめ、青年部を経験しているメンバーが多く、青年部への思い入れはそれぞれが持っています。私も青年部で全国部長をさせていただき、青年部に育ててもらったという気持ちは強い。次世代にバトンをつなげていきたいし、つながっているという実感はあります。

 齊藤 都連の若手には、全旅連青年部に数多く出向してほしいと思っています。

 ―齊藤理事長は、ナンバー1組合を目指すと、よく話しています。

 齊藤 東京の宿泊需要は堅調ですが、都連組織としては組合員の性格やメンバーが変わってきています。個人で代々経営してきた個店で事業継承に悩んでいるホテルは多いですし、廃業などで減っていくことも残念に思っています。大手ホテルや大手チェーンホテルの加盟が増えることで、都連の活動を支える人材をいかに確保するかも課題です。都連では全旅連の一員として外国人雇用の環境整備に取り組んでいますし、事業継承問題を前向きに解決できるセミナーもやっていきます。全旅連47都道府県組合で最多の組合員数を持つというのも目標ではありますが、生衛16業種で、同業者が一番多く残るという意味でのナンバー1組合を目指しています。

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情報提供:トラベルニュース社