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トップインタビュー:南アフリカ、新体制と誘致戦略を聞く[PR]

  • 2018年7月25日

10年ぶりにアジア太平洋地区トップが交代
ブラウワー氏はグローバルトレードの責任者に昇任で、本局のバックアップも期待

-日本ではまだ知られていない南アフリカの魅力が多くあると思います。今後、どのような観光資源を日本に紹介していきますか

17年はテレビに40件、新聞・雑誌に71件、オンラインメディアに169件の露出があったという

ブラウワー 日本人に人気があるのはケープタウンと、サファリや渓谷美が楽しめるムプマランガ州、リゾートのサンシティが中心だが、国内9つの州には、それぞれ素晴らしい観光的魅力がある。世界遺産も先日、10か所に増えた。サファリでは、ブッシュでライオンやゾウなどを見る陸のサファリと、ケープペンギンやイルカなど海洋生物を見る海のサファリの両方が楽しむことができる。これは南アフリカならではの特徴だ。

 さらに、8月には「奇跡の花園」と言われるナマクワランドでの、半砂漠地帯を彩るワイルドフラワーもある。雨や風の状況で種が着地する場所が変わるので、年ごとに咲く場所が変わる、神秘的な場所だ。また、10月に咲く紫の花のジャガランダはプレトリア以外でも見られるので、多様な旅程を組んでほしい。南アフリカは11月~3月がピークシーズン、鮮やかな南アフリカの夏を体験してほしい。

ボルダーズビーチでは世界で唯一、近くでケープペンギンを見ることができる

モハメッド 私は南アフリカを、「バリュー・フォー・マネー」な国だと思っている。長距離の旅行先なので渡航費用は他の旅行先よりも高額になるが、それ以上の価値がある国だと言いたい。例えば、多くの旅行者を魅了するテーブルマウンテン、色とりどりの花々、美しいビーチは、全て無料で見られる。食事も質は高いが、その割に安価で楽しめる。

 ホテルのコンプリメンタリーで得をしたとか、思いがけないもてなしで良い気分になったという話も多く聞く。時間とお金をかけて行く価値がある観光地であることを、もっと日本の人々に分かってほしい。

-日本の旅行会社に伝えたいことはありますか

ブラウワー ぜひ、取り組みを強化してほしいテーマがある。1つは、MICE。日本の企業に南アフリカをミーティングの開催地として見てほしい。南アフリカにはトヨタやソニー、日産、三菱など日系企業が142社進出しており、MICE開催のチャンスは大きいと思う。

 2つ目はエデュケーショナルツアー。子供たちにもっと、南アフリカの魅力を知ってもらいたい。クルーガー国立公園をはじめ希少な動植物、独特の生態系など、子供だからこそ感じて学べるものが多くある。18歳以下の入国には書類申請が必要だが、大使館と話をして少しずつ手間を減らす努力をしている。

SAスペシャリストは南アフリカに関する知識を向上できる、オンラインの学習プログラム

 最後に伝えたいのは、我々にとって業界からのサポートが一番重要であること。日本では認知向上とメディア露出、そして送客を担う業界サポートが、旅行者増加に直接的に繋がる効果的な方法だ。業界向けの「SAスペシャリスト」にも注力し、1人でも多くの南アフリカスペシャリスト認定に力を入れていきたい。

-日本への直行便やチャーター便など、アクセス改善の取り組みを教えてください

モハメッド まず伝えたいのは、直行便ではないがキャセイパシフィック航空(CX)の香港/ケープタウン線の就航。11月から2月の季節運航だが、一番人気の観光地に直接入る路線であり、利便性が高い。さらにシンガポール航空(SQ)は今年3月、シンガポール/ヨハネスブルグ/ケープタウン線を、週4便からデイリー運航に増便。7月と8月の2カ月間は、シンガポール/ヨハネスブルグ線を、1日1便から週10便に増便した。アジア発着路線での増便の動きが、日本の直行便開設の後押しになればと思う。

ブラウワー 本局に戻っても、航空路線に関しては日本路線に言及し、直行便就航を提案したいと思っている。先にも述べた通り、南アフリカには日本企業の進出が多く、直行便就航のチャンスがある。

 チャーター便に関しては各航空会社に交渉しているが、南アフリカと日本の相互の需要が見込めないと厳しいのが現実だ。ただ、日本政府観光局との連携により、南アフリカと日本の間の2ウェイツーリズムを強化することによって、チャーター便も現実的になるだろう。2019年のラグビーワールドカップ日本大会には期待したい。

-ありがとうございました。