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宿泊施設はOTAとの協力でグローバル展開を-WIT Japan

  • 2016年7月28日

OTA経由と自社でバランス良く販売
さらなる訪日客受入には民泊も

OTAに頼り過ぎない販売を
メタサーチなど活用し直販増も

ヒルトン・ワールドワイドの岩永氏  OTAとの関係を続けていく上で、宿泊施設側の負担となるのが販売手数料の問題だ。宿泊施設はOTAと協業する一方で、経営の面ではヒルトンの取り組みのように自社ウェブサイト経由の直販の割合も伸ばしていく必要がある。

 長谷部氏は自社ウェブサイトからの直接予約を増やすために、メタサーチを活用していることを説明。さらに、昨年2月から訪日外国人旅行者向けにトリップアドバイザーの「インスタント・ブッキング」を導入したことについても言及した。「インスタント・ブッキング」は、OTAなどの別サイトに移動することなく、トリップアドバイザーのウェブサイト上で、自社による客室販売をおこなえるサービス。宿泊客の利便性の向上と直販増の両方を実現したいという。

 そのほかにはクリック保証型広告への投資に意欲を示し、「新規顧客の開拓につなげたい」と語った。クリック保証型広告は、消費者がさまざまなウェブサイトに掲載されたバナー広告などをクリックして広告主のウェブサイトを訪れた場合、広告主が1クリック分の料金を掲載主に支払う広告。自社の認知度向上のほか、自社ウェブサイト経由の予約増が期待できるという。

 浅生氏は、販売チャネルに関わらず予約を伸ばすための取り組みとして、海外ブロガーに実際に宿泊施設に泊まってもらい、体験談を書いてもらう取り組みをおこなったことを紹介。アゴーラがめざす「地域色の強いブティックホテル」を広く周知するためのもので、以前より認知度が上がり、訪日外国人旅行者の宿泊も増加したという。

 岩永氏は昨年に3Dのプロモーションビデオを作ったことを説明。ウェブサイトで公開している紹介文や写真などに加えて、新たなコンテンツを拡充したことで、旅行者だけでなく自社のスタッフからも「セールスツールとして使いやすい」と好評だったという。