itt TOKYO2024

入社式で社長訓示、環境変化に積極的なチャレンジ訴え

  • 2013年4月2日

阪急交通社:59名入社
代表取締役社長 生井一郎氏

 当社は本年で創業65年を迎えた。旅行市場は様々な要因に影響を受けるが、こうした中でも業績を伸ばしてきたのは、市場変化に対応する現場の力であり、それこそが当社の強みだと思っている。皆さんもいち早くその一員となり、その中で新しい発想や視点を持ち、失敗を恐れずに仕事に挑戦してほしい。

 毎年、社会人の先輩として2つのことを伝えている。1つめは「時代を読む感覚」を身に付けること。現代は情報化や市場の多様化、グローバル化など時代の変化が著しく、その流れに遅れることなく市場ニーズに答えていくことが求められる。今、市場が何を期待しているかを常に考える姿勢と感性を養ってください。

 2つめは「お客様の目線で」ということだ。旅行事業の原点はお客様。お客様に支持されないビジネスは時代に取り残され失われていく。お客様に満足していただき、そして指示をいただくことが必要だ。

 当社がめざすものは「支持率No1の旅行会社」。「時代を読む感覚」と常に「お客様目線で」を心がけて、一緒に「お客様支持率No1」の旅行会社をめざしていこう。


▽航空会社
全日空グループ:1068名入社
ANAホールディングス代表取締役社長 伊東信一郎氏

 この数年はリーマンショックや新型インフルエンザ、東日本大震災など、グループ存続の危機ともいえる厳しい状況だったが、グループ全体で「強く生まれ変わる」を合言葉に生産性向上や品質向上など、様々な改革を進めて難局を乗り越え、ここまでたどり着くことができた。

 「強く生まれ変わる」ためにグループとして様々な改革を断行してきたが、今日は持株会社制を開始した。首都圏発着枠の拡大や航空自由化、LCCの参入、競合他社の勢力拡大、国境を超えた買収、合併など航空業界が大転換期にある中で、新体制のもとで事業の拡大と各事業の強化、発展をめざす。ただし、「グループで協力して事業をしている」ことは忘れてはならない。航空会社の力だけでは飛行機は飛ばない。

 新ANAグループ経営理念は「安心と信頼を基礎に 世界をつなぐ心の翼で 夢にあふれる未来に貢献します」だが、お客様の安心と信頼を得るためには、まず安全が前事業の基本となる絶対的な使命。また、安心や信頼のためには現行が首尾一貫していることが極めて大事だ。

 また、新ANAグループ経営ビジョンは「ANAグループは、お客様満足と価値創造で 世界のリーディングエアライングループを めざします」。これまでは「アジアを代表する企業グループ」をめざしてきたが、この目標を一段高める。

 このためには、お客様の気持ちを汲んで何をしてあげられるかを考え、時にはマニュアルを越えて臨機応変に期待以上のことをして差し上げることが大切だ。また、井の中の蛙にならず、積極的に世界に出ていく必要もある。どの会社、どの職場であっても、世界に目を向け、将来に向けて努力をしていただきたい。

 サントリー創業者の鳥井信治郎氏の口癖で、松下幸之助氏も使われた「やってみなはれ」という言葉がある。「早く一人前になりたい」「こんなことをやってみたい」といった興味意欲を持つはずだが、人間はやりたいことがあっても「自分にはまだ早い」「自分にはできない」など、やるための理由ではなく、やらないで済ませる理由を考えがちだ。

 ANAグループは元来この「やってみなはれ」を大切にする風土がある。大切なのは「何としてもやってみよう」という熱意だ。一度や二度失敗してもそのチャレンジ精神こそが次に何かをもたらし、それこそ私たちが期待しているものだ。私たち経営者に「やってみなはれ」をたくさん言わせてください。