itt TOKYO2024

入社式で社長訓示、環境変化に積極的なチャレンジ訴え

  • 2013年4月2日

 旅行関連企業各社の入社式が4月1日に開催された。発表のあった会社の社長訓示では、引き続き旅行業界を取り巻く環境の変化に触れつつ、新中期経営計画や組織再編などの取り組みを紹介し、新入社員に挑戦を求める内容が多く見られた。大手各社トップの訓示概要と入社人数は下記の通り。(訓示を発表した会社のみ。50音順)

▽旅行会社
エイチ・アイ・エス(HIS):614名入社
代表取締役社長 平林朗氏

 昨今、あらゆる分野で世の中の市場に大きな変化が起きている。日本の成人人口のおよそ4割が60歳以上で、これからはアクティブシニアが市場の牽引役とされており、HISもこのお客様層にご支持いただけるよう新たなビジネスモデルの構築をめざし挑戦を続けている。

 一方、PCやガラパゴス携帯からスマートフォンやタブレットを利用した情報収集、商品購入が拡大しており、HISの販売チャンネルも店頭からPC、そしていよいよスマートフォン、タブレットへと移り変わっている。

 HISではアジアを中心に海外事業も強化しており、この1、2年で大きく成長を始めた。また、HISグループとして長崎ハウステンボスがさらに成長軌道に至ったほか、昨年グアムのホテルがグループ入りしたホテル事業、2013年夏に初便を就航するタイのチャーター航空会社など、様々な新事業が本格的に展開をはじめ、「世界的ブランドHIS」に向けた私たちのチャレンジは続いている。

 これらの事業を引っ張り、HISグループを背負って仕事をしていただくことになる新入社員の皆さんには、活躍の場がたくさんある。入社するこの日に、皆さんが今抱いている目標をいかに継続していけるかといったことが、これからの成長にとって非常に大事なポイントになっていく。

 自分自身の人生の目標、会社での目標をしっかり定め、夢に向かったその第一歩を踏み出していただき、継続していってください。是非とも会社の成長の原動力になっていただき、HISが大きく躍進できるよう共に頑張っていこう。


近畿日本ツーリスト:103名入社※
代表取締役社長 小川亘氏

 近畿日本ツーリストは組織再編をおこない、本年1月から「KNT-CTホールディングス」のメンバーとして新たにスタートした。この再編は当社が団体旅行に専門性を持って事業を展開し、同時に近畿日本ツーリスト個人旅行や近畿日本ツーリスト個人旅行販売、クラブツーリズムをはじめとするグループ会社が持つ力を結集して、一層大きな力を出すためのものだ。

 新たなビジネスチャンスを確実に獲得し、強い旅行会社として他社にない旅行事業のビジネスモデルを構築していくことをめざしている。スタートは順調だが、これからさらに加速する必要がある。ぜひ今日皆さんが抱いている当社と仕事への熱い思いを大きなエネルギーとして注いでください。

 昨年以降、日本経済は回復傾向にあり、我々の顧客である企業、法人の業績も上昇の兆しを見せているが、すべてがバラ色という訳ではない。異業種からの参入や直販化など乗り越えるべき課題は多い。

 こうした変化は「激動の時代」「転換期」などといわれるが、実は常に変化は起きており、それにどれだけ柔軟かつ積極的に対応できるかが問われる。皆さんもこれから公私で色々な変化に出会うはずだが、変化に翻弄されることなく、自らそれを受け止め進む道を選択してください。当社も組織再編を契機に、強い部分はより強く、チャレンジする部分はより果敢に、皆さんの力も推進力にしながら進んでいく。

 昨今、「未知の世界に興味を持って飛び込める行動力」「最後までやりぬく責任感と主体性」といった能力を持つグローバル人材が企業に求められているが、当社はまさにグローバル人材が育つ風土が備わっているといえるかもしれない。当社はよく「社員一人ひとりの力が強い会社」といわれるが、それは旅行という巨大な市場に対して社員が主体的に知恵を絞り、挑戦してきたことへの評価だ。

 本年以降、近畿日本ツーリストグループではこれまで以上に社員の研修、教育を充実する。皆さんに対しても年間を通して様々な研修を用意している。そして何よりも仕事を通じてお客様と向き合い、様々な経験をすることで間違いなく人としての成長を感じてもらえるはずだ。当社で皆さんの力を発揮すると同時に、ご自身を大きく強く成長させてください。

 皆さんは新しい生活への期待と不安を抱きながら今日を迎えていることでしょう。会社生活の中では失敗や悔しく辛いこともたくさんあるはずで、意欲や努力だけではどうにもならないこともあるだろう。しかし、それらは社会人として組織で働く人は誰もが直面する壁だ。

 業務知識や知恵、経験、スキルの少なさについて漠然とした不安を憂慮するのではなく、「今何をすべきか」「これからのために今日すること」を考えよう。「今やること」が皆さんと会社の「未来を創る」。行動するチャンスとその結果への評価は全社員に平等に用意している。「こんな仕事がしたい」「こういうアイディアを実現したい」という気持ちを積極的に行動に移してください。

※近畿日本ツーリストのほか近畿日本ツーリスト個人旅行に29名、近畿日本ツーリスト個人旅行販売に37名、近畿日本ツーリスト商事に3名が入社し、それぞれ入社式をおこなった