JATA、民泊で観光庁に要望書、「旅行会社が扱える仕組みを」

 日本旅行業協会(JATA)は11月11日、民泊の規制緩和に対する考え方について、観光庁長官宛に要望書を提出した。旅行会社が民泊を旅行業法に基づいて取り扱うために、旅行者の安心や安全を確保できる仕組みの整備と、地域住民の理解を得るためのルール作りを求めるもの。違法な民泊に対する取り締まりも要望した。

 民泊については、2014年4月に旅館業法の適用を除外する国家戦略特別区域法が施行され、東京の大田区や大阪府で実現に向けた取り組みが進んでいる。しかし宿泊業における新しい取り組みとして民泊に注目が集まる一方で、特区以外の地域での民泊や、対象外としている日本人の民泊をおこなう業者もあり、社会問題化しつつあるところ。こうした状況を踏まえ、JATAでは国内旅行委員会内の国内旅行拡大部会で、訪日旅行委員会の委員も迎えながら検討を実施した。

 12日の定例記者会見でJATA理事長の中村達朗氏は「JATAとしては、特区で外国人限定という前提のもと、民泊を取り扱うことについては賛成する」と述べた上で「民泊でもっとも重要なのは外国人旅行者の安心・安全の確保」と強調。「旅行会社が安心して扱えるような制度にして欲しい」と語った。

 また、JATA国内・訪日旅行推進部長の興津泰則氏は「我々旅行業者は宿泊関係団体とともに観光産業を作っており、非常に大きな協力関係にある」と説明。規制緩和により、現行の旅館業法に則った宿泊施設に影響が出ることを危惧するとともに、「旅行業法に則り法律を順守する我々にとっても、(従来の宿泊施設と民泊が)対等な条件になる制度を求めたい」とした。

 要望書では、消防、食品衛生などの安心・安全を担保するルールの構築や、国家戦略特区施行令と内閣府および厚生労働省が通知した「外国人滞在施設経営事業の円滑な実施をはかるための留意事項」の周知徹底と順守を求めた。なお、留意事項では、滞在者名簿の作成と3年間の保管、滞在者に対して宿泊時に旅券の提示を求めることなどの対応を求めている。

 また、消費者保護の観点から、滞在する施設に何らかの欠陥があることが原因で外国人旅行者に損害が生じた場合は、施設の提供者が賠償を確実におこなうルールの構築を要望した。加えて、地域住民の理解を得るためのルール作りも求めた。

 さらに、特区内での最低宿泊日数については、該当地域の宿泊施設の状況を踏まえて設定するように要望。特区以外の地域における違法な民泊を防止する観点から、海外の取次斡旋業者の規制や、特区以外における民泊提供者に対する取り締まりの徹底も求めた。

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