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太田国交相、東南アジアのビザ緩和4ヶ国と意見交換-路線増の要望も

  • 2013年6月30日

 国土交通大臣の太田昭宏氏は6月28日、マレーシア、フィリピン、タイ3ヶ国の特命全権大使や観光局関係者、ベトナム大使館次席公使と意見交換会を開催した。これは外務省が6月25日に発表した、タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピン、インドネシアの訪日ビザ緩和を契機としたもの。7月1日からのビザ緩和を各国に正式に報告するとともに、緩和の効果をより強めるための取り組みや、双方向の交流拡大のために意見交換を実施した。

 会議には国土交通副大臣の鶴保庸介氏や政務官の坂井学氏、観光庁長官の井手憲文氏、日本政府観光局(JNTO)理事長の松山良一氏らも参加。政務三役と各国大使が観光に関する意見交換をおこなったのは今回が初めてとなる。

 太田氏は冒頭の挨拶で「4ヶ国から今年は前年比40%増の33万人が訪日している」と感謝を示し、「さらに多くの方に日本を訪れてくださるよう、我が国の素晴らしい魅力、四季の美しさ、食事の美味しさ、街の安全さ、流通の正確さや快適さを日本ブランドとして発信していきたい」と、インバウンドの増加に意欲を示した。

 また「観光交流は双方向でならなければならない」と、2ウェイツーリズムに言及。2013年の1月から3月に4ヶ国を訪問した日本人の累計は82万人とし、引き続き東南アジア諸国への日本人観光客の訪問者増に取り組むとともに、各国の観光に不可欠な交通インフラ整備にも協力していきたいとした。

 これをうけ、駐日マレーシア特命全権大使のダト・シャハルディン・モハマッド・ソム氏は4ヶ国を代表して挨拶を述べ、日・ASEAN友好協力40周年を契機にビザを緩和したことに喜びを示した。40周年を「特に観光協力において、新たなイニシアチブを開始する好機である」と、関係を更に強化していきたい意気込みを語った。

 意見交換会では、各国からビザ緩和への感謝が述べられるとともに、フィリピンやベトナムからは将来的にビザ免除を求める声もあがった。また、航空アクセスの更なる拡大を望む意見が各国から出され、例えばマレーシアからは成田や羽田の増便や、現在未就航の全日空(NH)に路線開設を期待するコメントもあった。

 アウトバウンドに関しては、フィリピンからリゾートやホテルで日本人スタッフの採用や、日本語表記の充実をはかっているとの説明があり、日本人観光客の訪問増を訴えた。一方、インバウンドの外国語表記の充実についてはマレーシアから、英語の交通表記やレストランのメニューの増加に加え、電化製品の取扱説明書の英語版なども用意してほしいとの要望があった。このほか、ベトナムとマレーシアから、留学をテーマにした相互交流の更なる拡大を望み、留学時の手続きの簡素化を求める意見が出された。

 井手氏によると、今後は意見交換をふまえ、航空局や関係各所に働きかけをおこなっていく考え。また、会議の終了時に鶴保氏が、双方の交流活発化のための2国間会議の実施を提案したことをうけ、実現に向けた取り組みを進めていく。すでにベトナムは実施しており、マレーシアとは会議の実施について話を進めているとした。