ハワイ・ライフ&カルチャー:オアフ島のおすすめハイキングコース

  • 2011年7月14日

違った表情のハワイと出会える、オアフ島のハイキング
~海を望む絶景から熱帯雨林まで変化に富んだ風景が魅力~

ビーチを見下ろす風景が魅力のラニカイ・バンカーズ・トレイル

 観光客で賑わうワイキキを一歩離れると、手つかずの自然が広がるオアフ島。なかでも島内を縦に走るコオラウ山脈は、ハイカーにさまざまな景色のトレイルを提供し、ダイナミックな自然を堪能させてくれる。高い頂上をめざす登山ではなく、豊かな自然に触れるため、地元ハワイの人々は家族で週末ハイクに出かける。気持ちよい汗をかいた後は、海に入ってリフレッシュできるのもハワイならでは。コオラウ山脈の麓、ホノルル市内のタンタラスの丘マノア周辺にも多数のトレイルが存在するが、島の東側まで少しドライブしてみると、美しい海を望む絶景や、うっそうとした熱帯雨林のコースなど、また違った表情のハワイに出会うことが可能だ。今回はコオラウ山脈の東側にある4つのハイキングコースを紹介しよう。

絶景派におすすめのマカプウ岬灯台トレイル

季節によってはホエールウォッチングの楽しみもマカプウ灯台は無人で立ち入り禁止となっている

 ワイキキからカハラを抜け、ハワイカイ、カラニアナオレ・ハイウェイをひたすら東に走るドライブは、群青色の海岸線がまばゆいばかりの快適なルートだ。ハナウマ湾を経て、オバマ大統領がボディ・サーフィンを披露したサンディ・ビーチを過ぎると、ほどなく右手にマカプウ岬灯台へのトレイルのスタート地点が現れる。シーライフパークやマカプウビーチまで行くと行き過ぎなので、注意しよう。

 登り口から頂上までは片道約1.6キロメートル、時間にして30分少々だ。ダイヤモンド・ヘッドの兄弟格、ココヘッド・クレーターや乾燥地で良く育つサボテン、薪に利用されるケアヴェの木を眺めて歩くと、標高約180メートルの頂上に着く。赤い屋根のマカプウ灯台、北東に伸びるコーストラインと、洋上にぽっかり浮かぶラビット島、晴れた日にはモロカイ島の姿も見える。12月から4月までは、ホエールウォッチングに最適の場所として人気が高い。舗装された道を歩くので、ベビーカーを押して上るファミリーにもおすすめのスポットだ。


素晴らしい眺望のラニカイ・バンカーズ・トレイル

絵になるビーチを一望する

 エメラルドグリーンの海と白砂さらさらのビーチで、CM撮影にもよく使われるラニカイビーチ。このビーチを一望できる絶景ハイキングコースがラニカイ・バンカーズ・トレイルだ。ラニカイビーチへは、パリ・ハイウェイからカイルアタウンへ向かい、そして右手に続くラニカイへと入る。トレイルのはじめは住宅地から舗装した道路をゴルフ場に沿って上るが、すぐに勾配のきつい坂道になるので、必ずウォーキングシューズを用意したい。しばらく坂を上ると、30分くらいで頂上に到着だ。

沖合には双子島のモクルア島が見える

 頂上からはアメリカ一美しいと称えられるラニカイビーチを眼下に、さらに2つ仲良く並ぶモクルア島を見下ろすことができる。コンクリートの箱のようなつくりのバンカー(トーチカ)には、カラフルな落書きが施され、一見アートのようでもある。難しいトレイルではないが途中急な坂があるので、小さな子ども連れのファミリーなどでは注意が必要だ。また、トレイルには日差しをさえぎるものがないため、日差しが強い時間帯を避けて登る方がよい。


熱帯雨林を散策するマウナウィリ・トレイル

トレイルには小川が流れるスポットもオヒアの木などハワイならではの植物が茂る深い緑の中をハイキング

 パリ・ハイウェイをカイルア方面に向けて走ると、大きく曲がりくねった道の向こうに突然カイルアの街がひらけて見える地点がある。ここには10台分ほどの駐車スペースがあり、写真を撮るのにおすすめの場所だ。ここで車を止め、熱帯雨林をくぐり抜けるマウナウィリ・トレイルを歩いてみよう。

 マウナウィリ・トレイルは雨に恵まれているため緑が濃く、天然のグアバやククイ、オヒアレフアが生い茂っている。トレイルから見上げるコオラウ山脈の姿は美しく、豊かな自然を味わえる。いくつかの小川を渡るところもあるので、滑らないようウォーキングシューズを着用したい。急な坂をのぼることはなく、じっくりと森林浴を楽しみながら進むトレイルは、時間と体力が許せばワイマナロの街まで続く。そうでなければいつでも元来た道を引き返せばよいので、自分のペースでハイキングを楽しみたい。


水の音が心地よいマウナウィリ滝トレイル

滝つぼでの水遊びも楽しみのひとつ

 先のマウナウィリ・トレイルからずっと小川に沿って歩いて行くと滝にたどり着く。ただしこの場合は2、3キロほど余計に歩くことになるため、滝で遊ぶことを目的にするなら、マウナウィリの住宅地からトレイルを始めよう。小川のせせらぎを聞きながら奥に向かって20分ほどで滝に到達する。

 ほとんどはなだらかなコースだが、滝につく直前だけが少し急勾配なので注意が必要。滝には小さな滝つぼがあって、地元の人たちはひんやりと冷たい滝つぼで泳ぐなど、思い思いに自然の滝を楽しんでいる。シャワーがあるわけでなく、ゆったりとお弁当を広げるスペースもないので、長居するには不向きだが、若者のグループにはアドベンチャラスで楽しいトレイルといえよう。

 今回紹介した東海岸のトレイルは、ダイヤモンド・ヘッドのトレイルやマノアの滝を経験したリピーターに、ぜひトライしてほしいハイキングコースだ。絶景派、森林浴派と好みに合わせてさまざまなコースが選べるオアフ島のハイキングは、リピーターの家族旅行にもすすめたい。

マウナウィリ・トレイルの標識

ハイキングの注意点

 一般にハイキングに出かけるときには、水、スナック、ウォーキングシューズの着用など、簡単なコースであっても最低限の備えは必要。コースを外れて歩くことは厳禁だ。トレイルの多くは州立公園に指定されており、禁煙やゴミの持ち帰りなどのマナーにも配慮したい。このほかにも環境保護のため看板の表示が出されている場合には、注意をして見ておこう。

今週のハワイ50選

ワイキキ(オアフ島)
タンタラスの丘(オアフ島)
マノア[マノア渓谷](オアフ島)
ハナウマ湾(オアフ島)
マカプウ岬(オアフ島)
ダイヤモンド・ヘッド(オアフ島)
カイルア[カイルア・ビーチ] (オアフ島)

取材:スミスゆかし