ANA、中間期は17.5%増収も営業減益 国際線旅客収入21%増、旅行事業は減収増益

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 ANAホールディングス(ANAHD)が10月29日発表した2027年3月期中間決算(2026年4~9月)は、売上高が前年同期比17.5%増の1兆3987億円となった一方、営業利益は9.7%減の881億円、経常利益は10.0%減の856億円、親会社株主に帰属する中間純利益は11.8%減の670億円となった。国際線旅客収入が21.2%増と好調に推移したほか、日本貨物航空(NCA)の連結化も増収に寄与したものの、燃油費などの増加が利益を圧迫した。通期売上高予想は従来の2兆7700億円から2兆8700億円に上方修正した。

 主力の航空事業は、売上高が前年同期比19.2%増の1兆2892億円、営業利益は15.8%減の801億円となった。旺盛な訪日需要や日本発レジャー需要に支えられ、国際線旅客が好調に推移したほか、前年7月に連結子会社となったNCAの収入が加わった。一方、燃油費を中心に営業費用が増加したことから減益となった。

 ANAブランドの国際線旅客収入は前年同期比21.2%増の4920億円、旅客数は8.7%増の467万2567人となった。座席供給量を示す座席キロが3.2%増だったのに対し、旅客キロは7.0%増となり、利用率は前年同期から3.0ポイント上昇して83.3%となった。原油価格の変動に伴う燃油サーチャージの高騰があったものの、訪日客や日本発のレジャー需要を取り込んだ。

 路線ネットワークでは、需要に合わせて4月から成田-バンコク線、6月から成田-バンクーバー線などを高需要期に期間増便したほか、9月から成田-シンガポール線を増便した。

 一方、ANAブランドの国内線旅客収入は前年同期比1.0%増の3703億円、旅客数は前年同期並みの2257万4619人となった。座席キロを1.5%削減したことなどにより、利用率は1.2ポイント上昇して78.4%となった。5月からの運賃体系刷新やタイムセールによってレジャー需要の喚起を図ったものの、収入の伸びは国際線に比べて限定的だった。

 国内線では、夏休み期間や連休を中心に増便して需要の取り込みを図った。また、ANAHDは7月にアイベックスエアラインズとの包括的業務提携に合意し、2029年度を目途にANAグループが路線便数の計画や販売を担い、同社が運航する体制を構築する方針を示している。

Peachは旅客収入24.6%増、旅行事業は減収増益

 LCCのPeach Aviationは、収入が前年同期比24.6%増の817億円、旅客数は9.4%増の506万2052人となった。利用率は前年同期から2.3ポイント上昇し84.7%に達した。訪日需要やレジャー需要が好調だったことに加え、関西-金浦線、中部-金浦線などの国際線増便、9月の成田-仁川線の新規開設、国内線の増便などが寄与した。

 旅行事業は売上高が前年同期比5.5%減の319億円となった一方、営業利益は221.1%増の9億円となった。海外旅行では添乗員付き商品を中心とした欧州方面が好調だったものの、ハワイ方面の集客が伸び悩み、取扱高は減少した。

 国内旅行でも「ANAトラベラーズホテル」などの宿泊素材販売が好調だった一方、主力のダイナミックパッケージ商品の集客が伸び悩み、取扱高が前年同期を下回った。旅行事業全体では減収となったものの、継続的なコストマネジメントによって営業利益を拡大した。

 航空関連事業は売上高が前年同期比9.2%増の1898億円、営業利益は164.9%増の104億円となった。国際エクスプレス貨物の取扱高増加や、外国航空会社からの機内食関連業務の受託拡大が寄与した。

 また、商社事業は売上高が3.3%増の753億円となった一方、営業利益は18.9%減の29億円だった。空港免税店や物販店の販売は好調だったものの、大阪・関西万博の反動による観光土産品卸売の取扱高減少や、人件費の増加が利益を圧迫した。

通期売上高予想を1000億円引き上げ

 ANAHDは、好調な旅客・貨物需要が今後も続くと見込み、2027年3月期の通期業績予想を修正した。売上高は従来予想から1000億円増の2兆8700億円、経常利益は20億円増の1390億円、親会社株主に帰属する当期純利益は30億円増の990億円とした。一方、燃油価格や為替の市況変動による費用増加を見込み、営業利益予想は1500億円に据え置いた。

ANAHD 2027年3月期通期業績予想の修正
項目 従来予想 修正後 修正率
売上高 2兆7,700億円 2兆8,700億円 +3.6%
営業利益 1,500億円 1,500億円 変更なし
経常利益 1,370億円 1,390億円 +1.5%
当期純利益 960億円 990億円 +3.1%

※当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。金額は億円未満切り捨て。

 業績予想の算定にあたっては、米ドル円の為替レートを従来の155円から160円、ドバイ原油価格を1バレル75米ドルから90米ドル、シンガポールケロシン価格を同90米ドルから150米ドルに変更した。通期では前期比13.0%の増収を見込む一方、営業利益は31.0%減、当期純利益は41.4%減となる見通しだ。

 なお、年間配当予想は普通株式1株当たり60円で据え置いた。同日の取締役会では中間配当30円を決議している。