JTB、学生発案のハワイ旅行商品を発売へ 実践女子大・青学大と連携、「一人参加でも仲間ができる」旅を企画

  • 2026年10月13日
JTB
「Finding Ohana」の商品発表会で。左からJTBの三沢明子氏、青木智寛氏、実践女子大学の寺嶋真彩さん、大澤凛々子さん

 JTBは、実践女子大学と青山学院大学の学生が企画した大学生向けハワイ旅行商品「Finding Ohana ~学生がつくる、学生のためのハワイ旅~」を販売する。出発日は2027年3月4日で、4泊6日の日程。旅行代金は29万5000円で、国内空港施設使用料、空港諸税、燃油サーチャージなどは別途必要となる。

 同商品は、「大学生による、大学生のためのハワイツアー」をテーマに、両大学の学生20人が約1カ月半をかけて企画したもの。旅行のテーマや行程だけでなく、価格やPR戦略まで学生自身が検討した。最優秀賞に選ばれたプランをもとに、JTBが大学生向け商品として販売する。

 10月13日に開かれた商品発表会では、学生らが企画内容を説明した。コンセプトは「一人で参加しても、旅の終わりには仲間ができる」。学生らは、個人旅行が一般化するなかで、「ツアーの価値は安さや便利さだけでは測れなくなっている」とし、旅行を通じて友人をつくる新しい旅行の形を提案した。

 商品の特徴は、旅マエ、旅ナカ、旅アトを通じて参加者同士の交流を生み出す点にある。旅行前には、参加者の旅のスタイルを診断する旅マエ診断やプロフィール帳を用意し、互いを知るきっかけをつくる。旅ナカは現地学生との交流バーベキュー、ホノルルフェスティバルへの出展、HiBUSを活用したテーマ別ツアーなどを組み込む。旅アトも、参加者同士のつながりが続くことを意識した設計とした。

 学生らが特に重視したのは「選択的自由」だ。パッケージツアーとして一定の行程を組み、安心感を確保しながら、参加者が自分の興味に応じて行動を選べるようにした。HiBUSツアーでは、アクティブに過ごしたい人向けのルートと、ハワイの文化に触れたい人向けのルートを設定。自由行動やオプショナルツアーも組み合わせた。

 ホノルルフェスティバルでは、日本文化を紹介するコンテンツを出展する。学生らは「おみくじ」「習字」「うちわ」を組み合わせた企画を考案した。当初は書道体験を想定していたが、他との差別化を図るため、ハワイの気候でも使えるうちわに文字を書いてもらう形に発展させた。文字はおみくじ形式で選ぶ仕組みとし、ことわざからハワイに合うものを選定した。

 学生らは、個人旅行では現地の学生や地域の人々と交流する機会が限られると指摘する。現地学生とのバーベキューやホノルルフェスティバルへの参加を通じて、個人旅行では得にくい国際交流の機会を提供する狙いだ。

 また、29万5000円という価格設定に関しては、「なるべく抑えることを意識した」としたうえで、「価格に合った満足度の高い内容を考えた。JTBのツアーだからこその安心感もある」と説明。単に安さを訴求するのではなく、安心感、交流、現地での特別な体験を含めた価値で参加を促す考えだ。

 JTB教育第一事業部の青木智寛氏によると、今回の取り組みは、昨年度から青山学院大学と進めてきた学生企画型の旅行造成の発展形。今回は、同じ渋谷にキャンパスを持つ実践女子大学にも連携を広げ、両大学合同で実施した。8月からワークショップを重ね、9月11日のプレゼンテーションで各チームが企画を発表。採用されたチームの案をベースに、他チームの要素も取り入れて商品化した。

 学生にとっても、旅行を「楽しむ側」から「つくり、届ける側」へ視点を変える機会となった。発表後の取材では、初対面の学生同士が大学や学年、授業時間の違いを調整しながら企画を進める難しさがあったとの声が聞かれた。また、JTBからは、自分たちがやりたいことだけでなく、申し込む人が何を求めるかを考える必要があるとの助言を受け、理想と現実の差に向き合いながら企画を磨いたという。

 JTBは同様の企画の今後について、具体的に決まっているものはないとしつつ、枠組みや参加学生の対象を変えるなど、さまざまな展開が考えられると説明。「いずれにしても続けてやっていきたい」としている。