JATA、春スキーで早期予約促進 訪日需要拡大で日本人の予約行動にも変化求める
日本旅行業協会(JATA)は、会員旅行会社9社による共同企画「春スキー・スノボは先取りがお得!3月出発キャンペーン」を実施する。訪日客の増加で人気スキー場などの予約が早期に埋まるなか、日本人旅行者にも早めの旅行計画や平日利用を促し、需要の平準化と国内スキー・スノーボード市場の維持・活性化につなげる狙いだ。
キャンペーンは2027年3月1日から31日までの出発商品が対象。航空機利用ツアーは2026年10月31日まで、JR・新幹線、バスツアー、宿泊のみの商品は12月31日までの申し込みを対象とする。ANA X、オリオンツアー、クラブツーリズム、JTBガイアレック、ジェイトリップ、ジャルパック、T-LIFEホールディングス、東武トップツアーズ、ビッグホリデーの9社が参画し、対象商品や割引率、割引額などは各社が設定する。
JATA国内旅行推進部の野浪健一部長は10月8日の定例会見で、今回の企画について「3月をひたすら売りたいというキャンペーンではない」と説明した。背景にあるのは、スキー旅行を取り巻く予約環境の変化だ。
野浪氏によると、日本人のスキー・スノーボード人口は1990年代に約1800万人でピークを迎えたが、現在は400万人前後との推計もある。一方、訪日客による需要は拡大しており、2019年には約90万人とされていたが、コロナ禍後については正確な統計がないものの、現在150万~200万人との推計もあるという。
訪日客は日本人に比べて予約時期が早く、長期滞在するため平日も利用する傾向が強い。これに対して日本人は予約が直前になりやすく、週末や連休に需要が集中する。このため野浪氏は、日本人のコアなスキー・スノーボード客が一定数存在するにもかかわらず、「いざ行こうとしたらもう取れない」といった状況が生じていると説明した。
加えて、航空やJR、宿泊、貸切バスなどの単価も上昇しており、「価格も上がってきているし、かつ予約も取りにくい」と指摘した。人気スキー場では10月から11月の時点ですでにインバウンド需要で在庫が埋まり、旅行会社が日本人向け商品を販売したくても「売り物がなくなってしまう」ケースも出ているという。
こうした状況を受け、JATAのスキーツアー部会では、日本人旅行者にも旅行計画を早め、可能であれば平日に休暇を取得するなど、旅行時期を分散してもらう必要があると判断した。今回はその第一歩として、比較的需要に余裕がある3月に対象を絞り、早期予約にメリットを設ける共同キャンペーンを企画した。
野浪氏は、1、2月の人気商品については「今の時点でほぼ売り物がなかったりしている」と説明。その一方、3月については地域や積雪状況による差もあり、1、2月ほど早期需要が強くないことから、「まだ何とかこのタイミングで売り物が少し残っている」とした。3月でも週末を中心に予約が埋まり始めており、早期予約を促す必要性は高まっているという。
キャンペーンで具体的な販売人数の目標は設定していない。スキー市場が縮小を続けるなか、まずは減少に歯止めをかけ、販売を維持できるかを一つの指標とする。旅行各社の商品発売時期も早まっており、かつて12月ごろだったスキーツアーの発売を、現在では7、8月から始める会社もあるという。それでも在庫確保で「売り負ける」状況が出ているとしている。
また野浪氏は、日本人のスキー人口をかつての1800万人規模へ戻すことを目指す考えではないと強調。スキー場自体も減少する一方、宿泊施設やゴンドラ、飲食などリゾートとしての環境は改善しており、今後は「満足度の高いキャパシティの中で、どう需要をキープしていくか」が重要になるとの見方を示した。インバウンドと日本人の比率を議論するのではなく、日本人も外国人も含め、利用を希望する旅行者が適切にスノーリゾートを楽しめる環境を目指すとしている。

