海外旅行解禁後も選ばれる沖縄であるためにーザ・リッツ・カールトン沖縄 総支配人 佐々木孝司氏

  • 2021年10月20日

コロナ禍で見直した沖縄の魅力
サービスの質を引き上げて新たなリピーターに

 旅行デスティネーションとして、もともと準海外的なイメージが強い沖縄。コロナ禍中の現在は海外旅行の代替デスティネーションとして国内旅行者の注目度は高い。ザ・リッツ・カールトン沖縄は、佐々木孝司総支配人の指揮のもと、海外旅行解禁後も国内旅行者から選ばれるラグジュアリーリゾートのあり方を模索中だ。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

佐々木氏

-はじめにザ・リッツ・カールトン沖縄についてご説明ください。

佐々木孝司氏(以下敬称略) ザ・リッツ・カールトン沖縄は、沖縄本島の名護市の高台にあり、名護湾の美しい景観を楽しんでいただける立地です。目の前には隣接する沖縄屈指のゴルフコースがあり、ゴルフ、ダイニングやスパを思う存分体験できることが宿泊客に高く評価されています。料飲施設は、イタリアンレストラン、鉄板焼レストラン、沖縄料理をはじめ、洋食・和食を楽しめるオールデイダイニングなど、個性あるレストランを取り揃えています。またザ・ロビーラウンジのアフタヌーンティーや夜のバーも人気です。

 ホテルのコンセプトは「グスク」。グスクは漢字で「城」と書きますが、沖縄では戦うためのものではなく、客人を迎えるための場所。客室は2つのスイートを含む97室と少なく、お客様との距離の近さを広々とした敷地でゆっくり寛げるサービスや雰囲気づくりに活かしています。

-自己紹介をお願いいたします。

佐々木 大阪のホテルで7年間勤務した後、1997年にザ・リッツ・カールトン大阪に入社しました。日本で初のザ・リッツ・カールトンの開業準備の段階で料飲部に入り、開業時にはバーテンダーとしてカウンターに立ちました。10年ほど在籍してから2007年にマリオットが運営するブルガリ・ホテルズ・アンド・リゾーツ東京レストランのオペレーションマネージャーとしてブルガリレストラン東京銀座や表参道店(当時)のオープンを手掛けました。このホテルに移ったのは2011年です。ホテルマネージャーとして2012年の開業から携わり、2017年に総支配人に就任しました。大阪勤務時より現在まで、開業トレーナーとして国内外のザ・リッツ・カールトン十数軒の立ち上げも手伝いました。

-今もサプライズでバーのカウンターに立つことはあるのですか。

佐々木 バーテンダーは大好きな仕事なので、ブルガリレストラン時代には現場スタッフに邪魔者扱いされながらカウンターに立ったこともありましたが、このホテルはバー・カウンターがロビーラウンジにあるのでこっそりというわけにもいかず、なかなか出番がございません。

-コロナ禍中に訪れる宿泊客はホテルでどのように過ごしていますか。また、客層に変化は見られますか。

佐々木 コロナ禍で海外旅行に行けないことで、リゾートとしての沖縄の存在が見直されていると感じます。特に昨年の暮れあたりから「沖縄は初めて」「ザ・リッツ・カールトンを初めて利用する」といったお客様が大変増えました。そもそも沖縄は魅力的ですし、パスポートはいらないし、当然ですが言葉も通じる。そのうえリゾートとしても海外に引けを取らない。魅力的な要素が多くあります。

 海外旅行が実質的に解禁になった後もこれらのお客様に引き続き利用していただけるよう、現在はサービスのクオリティーを上げて満足していただくことにフォーカスしています。当ホテルは97室の客室規模としては敷地面積が広く、レストランの予約も時間をずらすなど密の回避、お客様同士の接触回避の工夫を重ねてきた結果、ホテル外に食事に出る方はほとんどいない状況でした。

 コロナ前から想定より実際の年齢層が高い傾向があったせいもありますが、年齢層の変化はほぼありません。客層に関しては以前よりも家族連れの方が多くなっています。

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