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「そとあそび」買収でさらなる飛躍へ-アソビュー代表取締役CEOの山野智久氏

コロナ禍で人気集まるアウトドアを強化
チケット販売分野でDX推進も

-コロナの影響は長引くと予想されますが、今後のアクティビティや体験の需要をどのように想定していますか

「アソビュー!」のウェブサイト(イメージ)。契約施設数は約7500施設 山野 外出自粛と緩和を繰り返すという前提の予想だが、今年は国内需要が19年の4割から5割程度まで戻ると思う。コロナ禍で分かったのは、「人がどこかに旅行したいという希望は無くならない」ということ。これまでも緩和のタイミングで人は外出している。春以降では気温の上昇やワクチン接種の開始などにより、近場の旅行で一定の需要が回復するとみている。

 楽観的なシナリオだが、22年はGoToトラベルキャンペーンのような需要喚起施策などで国内旅行市場が19年比7、8割まで戻り、他国との国交が回復すれば秋以降は海外需要の取り込みも含めて8割から9割まで戻ってくるのではと期待している。あくまでも感染症対策と国交回復次第だが、23年くらいには、市場が19年度並みに戻ればと期待している。

-売上が減少するなか、そとあそびの全株式を取得しました。そのねらいを詳しくお聞かせください

「SOTOASOBI」のウェブサイト(イメージ)。約550施設が契約している 山野 「アソビュー!」は取り扱う全アクティビティ・体験の販売状況をモニタリングできるプラットフォームだ。緊急事態宣以降のデータを見ると、都市部近郊での密を回避できる釣りやサーフィンなどのアウトドアアクティビティが活況だった。

 アウトドアアクティビティは需要の回復が早く、コロナと長く付き合う状況下において必要なものとして定着してきており、コロナ禍でも一定の需要が見込める。さらにアフターコロナでも大きな選択肢の1つになると予想し、領域強化のためにアウトドアレジャー専門予約サイト「SOTOASOBI」を運営するそとあそびを買収した。

 もともとコロナ前から「アソビュー!」とシナジーがある領域として興味があった。コロナがなくてもSDGs、well-beingの取り組みが盛んになるなか、自然に触れるアウトドア需要は向こう10年大きく成長するだろう。そういう長期的な戦略上のねらいから、もともとそとあそびの親会社にアプローチしていた。コロナの第一波終了後の成長率も踏まえ、買収を決断した。逆張りにみえるかもしれないが、データに基づくロジックで判断している。

 今後は2サイトの会員基盤を統合しつつも、「アソビュー!」は総合型のレジャー・遊びの予約サイト、「SOTOASOBI」はアウトドアレジャーに特化したセレクトショップ、のようにすみ分けていく見通しだ。