旅行会社の存続に「支援制度のフル活用」が必要-JATA会見

  • 2020年3月26日

JATAロゴ  日本旅行業協会(JATA)は3月26日に定例記者会見を開催し、理事・事務局長の越智良典氏は、政府が23日に開催した「新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響に関する集中ヒアリング」に参加した際の、JATAの要望などについて説明した。ヒアリングにはJATA副会長で東武トップツアーズ代表取締役社長の坂巻伸昭氏が出席し、旅行会社の業況を伝えるとともに経営支援を要望。そのほか全国旅行業協会(ANTA)副会長の近藤幸二氏、定期航空協会会長で全日空(NH)代表取締役社長の平子裕志氏なども出席し、支援を求めている。

 越智氏によれば、JATAは23日のヒアリングで、観光庁が各月の取扱高などを取りまとめている主要旅行会社約50社(昨年11月分からは単独で発表しているエイチ・アイ・エスを含む)の3月と4月の取扱額が、ともに前年比70%減となる試算を提示し、「毎月3000億円の仕事が消えた状態」であることを説明。ヒアリングに先立ち17日と18日に与党に提出した5項目の要望(関連記事)については、足元の経営継続支援のために「東日本大震災発生時と同レベル」を要望していた雇用調整助成金助成率の引き上げを、それを上回る「リーマンショックと同様レベル」に変更して求めたことを伝えた。

越智氏 具体的には、大企業は通常の2分の1から東日本大震災発生時と同じ3分の2、中小は通常の3分の2から5分の4への引き上げを求めていた助成率を、「これまでに経験のない状況」が続いていることから大企業は4分の3、中小は10分の9へと引き上げることを求めた。「より有効」な支援策と見る支給限度日数については、引き続き100日から200日への延長を求めた。

 越智氏は、感染拡大の収束の時期が見えず、さらに政府は25日に全世界にレベル2(不要不急の渡航は止めてください)の感染症危険情報を発出するなど、会員企業にとっては販売できる方面がない状況が「3ヶ月程度では済まない」との見解を説明。その上で、助成率の引き上げや支給限度日数の延長について「これを獲得しないと存続できない会社が出る」と語り、会員企業に向けては「今後は体力勝負。6月くらいまでは仕事がないことを前提として事業計画を練り、政府の支援制度をフル活用してしぶとく生き延びてほしい」と呼びかけた。

 旅行・イベントの自粛要請解除や、修学旅行の延期実施と財政支援、過去最大規模需要回復キャンペーンの実施、出国時の健康チェックなどの国際的な仕組み作りの4項目については、与党に対してと同様に要望したことを伝えた。このうち修学旅行については、24日に文科省が発出した学校再開ガイドラインにおいて、修学旅行を中止ではなく延期扱いとするよう検討を促す1文が盛り込まれるなど、「すでに成果が出ている」という。

 この日の会見ではそのほか、10月末からの「ツーリズムEXPOジャパン2020 沖縄リゾート展」や、その前月の「TEJ東京商談会」を「今後に向けた仕掛けを話す良い機会」として、予定通り開催する方針を発表。東京での開催を予定していた来年のツーリズムEXPOジャパンについては、東京五輪が1年後に延期される見通しとなったことなどを踏まえて、会場の確保について検討する考えを示した。

オートリファンド停止、旅行会社は「立て替え必要なし」

 なお、複数の外国系航空会社が払い戻しの急増により、GDS経由のオートリファンド機能を停止していることで、返金期間の長期化などが旅行会社および旅行者への負担となる可能性について、越智氏は状況を調査中であることを伝えた上で、「基本的に旅行会社は(航空会社から)リファンドされたらお客様に返金するもの。旅行会社が立て替える必要はないし、そのようなサービスをする余裕はない」とコメントした。あわせて、個別の商取引上の話であることや、かつては返金に数ヶ月単位の長い期間を要していたことなどについて述べた上で、「お客様の不便さについては伝えなくてはいけない」とも語り、JATAとしての見解については追って示すこととした。