インバウンド事業化 和歌山県旅行業協会、組合の活路開拓へ推進/旅行業総会

 一般社団法人和歌山県旅行業協会(小山哲生会長=日高観光)と協同組合和歌山県旅行業協会(小山哲生代表理事=同)は5月15日、和歌山市の紀三井寺ガーデンホテルはやしで通常総会を開き、いずれの議案も原案通り可決した。任期満了に伴う役員改選では両協会とも小山さんを再選した。

 小山理事長は昨年度の事業について触れ、「協力会会員の皆様の宿泊プランと日本旅行αラインを活用したパンフレット販売での旅行商品開発を行った。この事業はアウトバウンドの旅行商品開発にとどまらず、県や市町村の取り組みに協力していくことが組合事業の活路を拡げる一歩と信じている」と述べ、今年度も会員に必要とされる組合運営を推し進めていきたいと語った。

 来賓として出席した和歌山県観光局の中島寛和局長は2018年の県内入込客が3461万人で、過去2番目の記録だったことを報告。「台風や豪雨などの自然災害で大きな被害を受けた地域があったものの復旧支援やキャンペーンの実施、県内周遊の促進に取り組んだ結果、観光客数が増えた」と分析。さらに白浜アドベンチャーワールドでのパンダの誕生や、熊野本宮大社御創建2050年記念事業の実施も要因として紹介した。白浜空港の民営化により羽田便のキャンセル待ちが続き、座席が取れない状況であることも伝えた。

 旅館などの受入施設で構成する協力会(沼田久博会長=白浜温泉むさし)の通常総会も開催。セールス会も行い、旅行業者と受入機関は熱心に商談を重ねた。

 講演会ではまちづくり観光研究所の奥坊一広所長が「観光と旅行業界の現状と今後の展望」について話し「旅行業者、受入機関ともそれぞれの得意分野に磨きをかけることに注力すべきだ」と話した。


情報提供:トラベルニュース社