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「LINEトラベル」の衝撃から1年、新たに「おでかけNOW」投入

2年目は新サービスでタビナカに本腰
舵取り役の藤原氏に聞く今後のビジョン

-タビマエに続いて、タビナカ需要の獲得に本腰を入れるということでしょうか

執行役員O2O/コマース事業統括の藤井英雄氏は「おでかけNOW」の発表に際して、「これからはもう、ガイドブックは要らない」と宣言した藤原 「おでかけNOW」では、ユーザーが旅先でガイドブックを持っていなくても困らないサービスを実現したい。旅先で何かしようとする時に、ヒントを得るためにコンビニで急遽、ガイドブックを買った経験がある人は少なくないと思う。ガイドブックの売り上げの70%がコンビニ販売、という調査結果もあるほどで、私自身も同様の経験がある。

 タビマエ・タビナカ・タビアトといった分類は、ユーザーにとってはあまり意味のあるものではないが、サービスを提供する側としては、タビマエからタビアトまでの一気通貫のサービスをめざしたい。そのようなサービスがまだ現れていないからこそ、「LINEトラベルjp」で実現したいと考えている。

 利用促進をはかるためには、やはりポイントバックを実施し、まずは8月末までの期間、レストラン予約で200ポイント、アクティビティー予約で100ポイントを還元する。これまで旅行者はお金を払ってガイドブックを買っていたが、「おでかけNOW」を利用すれば、出先でも情報が入手できるだけでなく、予約することでポイントまで手に入れることができる。ポイントの原資については旅行会社や航空会社などと同じく、各サプライヤーに一種の広告費と考えていただき、負担を求める。

-そのほかにも、サービスの質の向上に関して注力していることをお聞かせください

藤原 比較検索サイトとして、検索結果の表示の高速化には常に取り組まなくてはいけないと考えている。また、「LINE」のビッグデータを活かした検索のパーソナライズにも取り組んでいる。例えば、ユーザーの関心や行動などに関するデータから、そのユーザーがラグジュアリー志向であることなどが分れば、その志向にあわせて検索結果を絞り込むことができる。その改善の取り組みには終わりがないが、こちらも常に取り組んでいかなくてはいけない。

-今後のビジョンについて教えてください

藤原 やはりタビマエからタビナカ、タビアトに至る一気通貫のサービスの実現が大きな目標になる。そのほかには、「LINEトラベルjp」が比較検索サイトであるのと同時に、プロモーションメディアでもあることに着目し、その進化をはかっていきたい。

 プロモーションの手段には、価格変動やタイムセールなどの情報を通知する「プッシュ型」と、過去の検索や記事コンテンツの閲覧情報などをもとに検索のパーソナライズを強化する「プル型」があるが、我々にはさらに「シェア型」という第3の手段もあると考えている。「LINE」のグループにおいて友だちと一緒に旅行の計画を立てる流れを作ったり、料金やキャンペーンなどの情報をシェアしやすい仕組みを提供したりすることで、新たな旅行需要を生み出すことに挑戦していきたい。

-ありがとうございました