新たな旅行業の創造 KNT-CTHD、近大と包括連携協定

 KNT-CTホールディングス(丸山隆司社長)は4月11日、大阪市阿倍野区のあべのハルカスで、近畿大学(細井美彦学長)と包括連携協定の調印式を開催した。全国有数の規模を持つ総合大学との連携により、旅行業店舗の新しいスタイルの構築や人材の育成、新たな旅行商品の創造などにつなげていく。

 近畿大学は、14学部48学科からなり学園全体で5万3千人以上の学生が在籍。実学研究を掲げて有名な近大マグロやバイオコークスなどの実績を誇り、文科省の公表値では全国の国公私立大学の中で、民間企業からの受託研究がもっとも多いという。旅行会社との連携協定は今回が初めて。

 令和に改元される5月1日にスタートする連携協定時の具体的な取り組みは3つ。

 近大のメーンキャンパスがある大阪府東大阪市にある近畿日本ツーリスト関西(KNT関西)東大阪営業所に、近大の産学連携商品の展示や学園祭などを告知するスペースを開設する。オープンは7月を予定しているが、学外拠点として大学と地域の結節点となるスペースとする。「近大ブランド」との連携で、旅行店舗として、営業所がある近鉄布施駅やまちの魅力アップにつながる拠点づくりを目指す。

 2つ目は「実学」を実践するインターンシップを実施する。KNT関西の第一線で活躍する社員の講義も行い、学生に旅行プランの企画立案、添乗体験など現場体験を課す。学生を受け入れるKNT関西の三田周作社長は「若者の需要を取り込むことが旅行業界の課題でもある。学生の感度、趣向を生かしたツアーを発地型、着地型として実現したい」と話す。2020年からスタートさせる。

 3つ目は、マグロの完全養殖に成功した近畿大学水産研究所の見学ツアーなどの実現を検討していくとしている。

 調印式で、丸山社長は「弊社は国内外に35のグループを有し、旅行業に関する知識と経験、近畿大学が持っている知的好奇心や感性がクロスすることで、旅行という枠を越えた成果が生まれるものと期待している」と意気込みを示した。

 細井学長は「旅を基本に世界中に豊かな時間を創造するKNT-CTホールディングズとの連携により、本学における研究、産学の連携活動に励みより社会に貢献できることを目指したい」と話していた。


情報提供:トラベルニュース社