itt TOKYO2024

T-LIFEとIAJ、シナジー最大化で「生き残る旅行会社」に

タイヘイグループで旅行・航空関連8社が協働
極東ロシアの活用にも期待

-IAJの4社についても、中期的なビジョンをお聞かせください

羽田氏羽田 日露の観光当局がめざす19年の交流人口25万人やその先において、どれだけ需要を取り込めるかがテーマになる。18年に発券した航空券は約2万5000冊、送客数は約7000人に上るが、20年には5万冊と1万4000人に倍増したい。我々は極東ロシアへの送客については日本一だと思っているので、今後の日露関係を考えれば、その目標も難しいものではないだろう。

 また、4社のうち航空支援事業などを担うインターアビエーション・ジャパンは中国の奥凱航空(BK)のGSAなども務めており、今後は旧ソ連諸国などに限らず、東南アジアなどの航空会社が日本への直行便を開設するためのお手伝いもしたい。インターアビエーション・ジャパンはプライベートジェットのハンドリングもおこなっているので、今後は日本でもその分野のビジネスが伸びるのではとも考えているところだ。

-タイヘイグループ入りを発表した直後の11月に、GSAを務めているヤクーツク航空(R3)がオーバーラン事故後の調査を受けて国際線を運休しましたが、改めてロシア関連ビジネスの難しさを感じたりはしましたか

羽田 ロシアは色々な面で安定していないところがあるのは事実だが、ここ10年程で国内の制度やビジネス環境はかなり良くなってきたと感じている。R3が事故後すぐに運航を止めたのも、航空会社の安全基準が国際的なレベルにまで向上したことを示している。

 我々のように専門分野の強みを持つ会社は、このような場合にこそ存在価値を発揮すると思う。R3が定期便を運航していた成田/ユジノサハリンスク線については運休決定後にすぐに対策を検討し、HZが定期チャーター便として引き継ぐ形で運休の翌週には運航を開始した。同路線は時間をかけて開発したので、お客様に迷惑をかけたくないという思いが強かった。

 我々は販売や空港ハンドリングの機能を持ち、当局との交渉の実績もあるため、HZへの切り替えはスムーズに進めることができた。これからも、強みとする航空関連のワンストップサービスをアピールしていきたい。

-今後の日露交流拡大について見通しをお聞かせください

羽田 日露間のビジネス拡大に伴い、今後はヒトもモノもさらに動き、あわせて一般旅行者の関心も高まっていくと思う。交流人口25万人という数字は、海外旅行全体から見れば少ないかもしれないが、日露間に限れば大きな数字だ。

 ロシア政府は17年から、極東を訪れる観光客向けに電子ビザを発給しており、極東ロシアは今では簡単に行けるようになった。昨年のサッカーワールドカップ大会の開催時には、(ビザなし旅行のための)ファンIDも発行している。それらの成功例をもとに、将来的にはモスクワやサンクトペテルブルクへの訪問についても、電子ビザが適用されるのではないかと期待している。

-ありがとうございました
※訂正案内(編集部 2019年1月29日14時20分)
訂正箇所:第1ページ最終段落第1文
誤:GSA

正:セールスエージェント